地元食材を使ったスペイン料理の数々
・4皿目
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蓮根のコカと戻り鰹のマリネ エスカリバーダ |
4皿目は戻り鰹を主役にしたエスカリバーダ。マリネされた戻り鰹は茄子を敷いたものと、玉葱を敷いたものの二種類あり、それぞれの味の違いが面白い。自家菜園ハーブの花も彩りだけではなく、香りと食感のアクセントとなっていて、添えられたヨーグルトソースと合わせて食べると、今まで食べたことのない新鮮な味わい。こういった手の込んだハイレベルなエスカリバーダは、一般的なスペイン料理店ではあまり見かけませんし、今回のコース中でも最高の一皿でしたね。
・5皿目
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南さんの紫芋のブニュエロ |
ブニュエロとはスペインでよく見かける魚を使った揚げ団子のようなものですが、今回食べたブニュエロは、干し鱈と紫芋、それにジャガ芋を練り混ぜたもの。これが2個、大きな白いレンゲに乗っての登場です。干し鱈の塩味と紫芋の甘味が口の中でじんわりと混じり合いながら、それぞれの素材の持ち味を感じさせる味わい。また、生産者がどこの誰なのかが分かる有機食材を使われているところも、食べ手にとっては安心感を与えてくれる魅力といえるでしょう。
・6皿目
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カタルーニャ産デュロック豚とリンゴのアサード |
メインは数種類からのプリフィクス形式で、この日はイベリコ豚などスペインらしい食材がラインナップ。今回は、その中から柔らかい肉質が魅力のデュロック豚(カタルーニャ産)を使った「デュロック豚とリンゴのアサード」を選択。
豚肉にはカットされたリンゴと玉葱の甘酢感が肉に染み込み、それらをアサード(スペイン語で「焼く」という意味)。おそらく低温アサードだと思いますが、デュロック豚の柔らかい肉質を引き立てた素晴らしい火入れ加減。そして甘酸系の味わいを、香味高いパセリのソースが上手く中和し、絶妙のハーモニーを作り出しています。
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最後はデザートの3種盛り合わせ。これに飲み物が付きます。 |
そして、最後の7皿目は「デザート三種盛り」が登場。どれも手間暇かけたデザートばかりで、とても2,200円のランチコースとは思えないクオリティと満足感。この日も店内は満席でしたが、これだけの多皿構成の内容でこの価格帯ですから、その人気もよく分かります。
最近流行りとなっているエルブジを真似た多皿料理ではなく、地元西宮の農家直送の有機野菜を使うなど、地元に根付いたスペイン料理の数々はどれも新鮮な驚きと美味しさに満ち溢れています。本当に感動を与えてくれるモダン・スパニッシュを堪能したい! というスペイン料理好きな方には、特に推薦しておきたいですね。
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・店名: ルナ パルパドス
・所在地:兵庫県西宮市樋之池町10-15 紀国ビルB1
・アクセス:阪急「苦楽園口駅」徒歩約12分
・地図:
Yahoo!地図
・TEL:0798-72-0782
・営業時間:11:30~14:00(LO)、17:30~21:30(LO)、Barは00:00まで。
・定休日:火曜日