『いつもみてるよ。がんばってるの、しってるよ。』の著者ナカムラミツル(326)さん |
「この時期にミツルが描くのは必然だった」という母の言葉
2005年の春に『326の雨のちレインボー―元気になれる31の言葉』という本を出していますが、この本を読んでくれたママや妊娠中の方が、ホームページなどでメッセージを書き込んでくれていたんですよ。ママ達が読んでくれていたというのは、ちょっと意外だったけれど、とても嬉しかった。「つらい時もあったけれど、この本を読んで乗り切れました」というようなコメントももらったりして、「妊娠期間という人生の中の区切られた特別な時間を、いつかは描きたい」という気持ちになりました。
自分自身それはもうちょっと先のことだと思っていた。自分が結婚して、親になってからとかね。でも、編集会議でちらっと話しをしたら、「是非本にしよう」という事になったんです。
『いつもみてるよ。がんばってるの、しってるよ。』は、お腹の赤ちゃんからプレママたちへの応援歌のよう。 |
本を創り始めて、母ちゃんから「実は30年前に中絶したことがある」という話しを聞かされました。体が弱かった母ちゃんは、兄と僕との間のもう一人の赤ちゃんをあきらめたそうです。その話しを母ちゃんはずっと自分の胸に隠して後悔していたようです。
僕がこの本を創りたいと思ったのと、母親がこの事実を伝えたいという気持ちとが、まさに必然的に重なったように思いました。
そして、その事実を知った僕は、「きっとその子も、僕も両方僕だ」と思いました。「一度帰ったけれど、やっぱりこの家族を選んで、2回目に来たんだろう」と思いました。