何が彼ににプロポーズさせるの?
なかなか煮え切らない彼の態度。今あなたに出来る事があるとしたら? |
最初に出会った瞬間から、妙に意気投合した二人は、間もなく恋に陥り、お互い一人暮らしでもあったため、半年も待たないうちに、一緒に暮らし始めることになりました。その同棲記念日とも言える日も、既に3周年を迎えていたわけです。
二人は、お互い仕事を持ち働いていましたが、帰宅時間が、ほぼ同じ時間帯だったので、いつも一緒に食事を作っていました。でも、食事の後片付けだけは、ジャンケンで決めることにしていました。
翔太は、さくらとのジャンケンには100%勝つことが出来る自信を持っていました。何故ならば、さくらは、それが癖なのか、いつも決まって、グー、チョキ、パーの順番でしか出さなかったからです。
翔太は、いつも自分ばかりが勝ってしまうと、さくらが自分の癖に気づいてしまうと思い、たまには、わざと負けたりもしていました。ですから、さくらが、たまにジャンケンに勝ったときは、とても喜んで、子どもの様に無邪気にはしゃいでいたのです。
平和な毎日が続くある日、近所で恒例のお祭りが催され、さくらが、メインイベントであるジャンケン大会に出場すると言い出しました。なぜなら、優勝者には、二人がかねてから欲しいと思っていた電化製品が、賞品として与えられる事になっていたからです。
翔太は、「あれ、あれ、辞めといたほうがいいんじゃないのかな。だって、さくらは、いつも順出ししか出来ないじゃないか・・・」と思いながらも、さくらについてイベント会場に向かったのでした。