国際結婚/国際結婚アーカイブ

バンクーバー五輪、開会式と夫婦のウラ話(4ページ目)

バンクーバー冬季五輪を、私たちは現地に長期滞在して観戦しました。そこにはある「約束」があったから。最初に見た開会式のウラ側をご紹介するとともに、国際結婚夫婦ならではのウラ話もこっそりお伝えします。

執筆者:シャウウェッカー 光代

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なぜこんなに長期でバンクーバーに来たのか

バンクーバー・オリンピック開会式
私たちは、リタイアして時間がある夫婦というわけでもないのに、バンクーバー・オリンピックの期間中とその前後もプラスして、1カ月以上バンクーバーに滞在しています。

「いいわねえ~」と羨ましがられることも多いですが、遊びだけて来ているわけではありません。現実は“オフィスがバンクーバーに移っただけ”の状態で、観戦以外は2人とも部屋で仕事をしていることが多いですし、特に夫は、感心するくらい日本の日常とまったく同じライフサイクル、同じデイリースケジュールで生活しており、部下との連絡も密にとっています。

お天気のいい日に(特に今回のオリンピック中は、この季節のバンクーバーにはあり得ないほど晴天が続きました)、ダウンタウンを行きかう人々の歓声を聞きながら、部屋にこもってコンピュータに向かって仕事をしていると、「もったいない。私たちは何をしてるんだろう?」と思うこともありました。でも、バンクーバーの多くの会社員は同じことをしているんですよね。オフィスを移転しただけ、というのは言い得ていたことでした。

ただ、長期で日本を留守にするというのは、ビジネス上のリスクもあるし、もちろん滞在費はかかります。

では、なぜ私たちは1カ月以上もバンクーバーに来たか……。
そこには、夫婦間のこんな約束がありました。

夫婦のウラ話

夫と出会うずっと以前の話。私はカナダが大好きで、バンクーバーという街が大好きで、それでしばらく住んでみたいと思い、語学留学しました。当然その頃から永住権取得は視野に入れていて、情報収集を重ね、1年後に申請。運よく半年後に取得することができたのです。

「これでカナダで生きていくことができる!」
日本への帰国は、よほどの事情がない限り、考えてはいませんでした。とにかく“自分がこれから生きていくのはこの国”と決めたのです。もともとその決意があっての、永住権申請ではありましたが……。

ところが、夫と出会って結婚し、「1人の人生」から「2人で一緒に生きていく人生」に変わりました。そうなると、自分の希望だけでアレコレ決めていくわけにはいきません。住む場所もその1つですが、国際結婚の場合は「住む国」ということになってくる。

夫の仕事の都合で日本に移住することにした経緯は、All Aboutの過去の記事にも書きましたが、実際は、それプラス記事には書けない諸々の事情がありました。カナダに思いを残したまま離れることになり、数年たってもなかなか気持ちの整理がつかず……。

もちろん、そんなことは周囲の誰にも見せませんでしたが、事情を知る由もない友人知人から「日本に帰ってこられてよかったね~!」と言われるたびに、何と返してよいか分からず、ゆがんだ作り笑いを浮かべるしかなかった自分を思い出します。

その後、夫の事業の成長と彼の希望を考え、日本を永住のベースにしたいのではないかと切り出したのは私のほうでした。思った通り、彼の返事はYES。私から問われたことを喜んでもいました。私の気持ちを分かっているので、自分からは言い出しにくかったのでしょう。日本をベースにするということは、カナダの永住権を失うことを意味していましたから。

そこで、改めてこれからのことを2人で話し合いました。
その時に、ある約束をしたのです。それは……


この約束があったからバンクーバーに来られた……


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