国際結婚/国際結婚アーカイブ

夫のルーツをたどる旅[1]…日系一世の悲話(3ページ目)

結婚式の翌々日から、お2人はヤマダ家のルーツをたどる旅に出ます。最初の目的地は甲府。そこにはおじいさん方の親戚がいるのですが、日系一世であったおじいさんのご両親には、悲しくつらい物語があったのです。

執筆者:シャウウェッカー 光代

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30年前に再会のきっかけが

おじいさん(左)を探し出してくれた甥御さんたち
おじいさんと日本にいる甥御さんたちと交流が始まったのは、30年ほど前でした。きっかけは、甥御さんたちが、父親の兄弟がアメリカにいるということを知り、探してくれたことです。親戚の人たちの記憶やさまざまな記録をたどって、ついにおじいさんを見つけ出し、連絡してきてくれたのでした。

その後、おじいさんは旅行で何度か日本に来ることができました。まだご存命だった実のお兄さんにも、生まれて初めて対面することができたのです。ただ、親しくお話できたわけではなかったそうです。たった1人、家族と離れ、いつの日か迎えに来てくれることを信じて生き抜いてこなければならなかったお兄さんには、複雑な思いがあったのかもしれません。

お兄さんが亡くなってからも、甥御さんたちと手紙のやり取りは続いていました。そして今回の結婚式出席のための来日に際し、「これが最後になるかもしれない」と手紙で連絡しておいたのだそうです。

偶然の1日

甲府に到着した時、その甥御さんたちが出迎えにきてくれていました。おじいさんとは感動の再会。そして、スコットさんたちとご両親には、初めて会う日本の親戚でした。お父さんにとっては、いとこに当たる人たちになるわけですね。

「ほうとう」を食べにいったお店で。なごやかな親族の会となりました
それからみんなで山梨名物の「ほうとう」を食べに行き、不思議な話を聞いたそうです。今日でなければ、甥御さんたちが全員揃わなかったのだとか……。

1人の方は義理のお姉さんが亡くなったため、東京に行っていたのですが、葬儀の前にこの日だけ何の行事もなかったので、急遽山梨に帰ってきたのだそう。あとのお2人も明日は横浜に帰るとのことで、この日だけが全員集まれる日だったのです。1日でもズレていたら、誰かが欠けてしまいました。ご先祖様のお引き合わせだったのでしょうか……。


そのご先祖様のお墓参りに。そこでも再会が……


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