国際結婚/国際結婚アーカイブ

オメデタ! そして桜の下でプロポーズ!(2ページ目)

渡米後、親密さを増したお2人ですが、交際は相変わらずスローペース。ところが4月、直美さんは身体の異変に気がつきます。すぐにスコットさんに連絡すると、彼の反応は……。思わぬことに事態は急展開!!

執筆者:シャウウェッカー 光代

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妊娠検査薬を購入

4月、直美さんは身体の異変に気がつきます。生理が1カ月も来ないのです。女性特有のカンなのか、この時は、ただ遅れているのとは違うと感じたそうです。

実は直美さんはひどい生理不順で、若い頃から通院していたという経緯がありました。そのお医者さんからは、子供はできにくいでしょうと言われていたので、「まさか」と思ったそうです。いつかは欲しいとは考えていましたが、こんなに早くとは……

とりあえず調べてみなければと、忘れもしない4月8日、会社帰りに妊娠検査薬を買いに行きました。一緒にショッピングに行った友達に「私、妊娠検査薬を買ったの。あやしいんだよね~」などと言いながら……。

同時に、こうも宣言していたそうです。
「もし+(プラス)だったら、私は産むから! だって、すごいことだと思うもの」

帰宅してすぐ調べた結果は…… 陽性でした!!

「そういえば……」と直美さんは振り返ります。「その前の1カ月は、なぜか赤ちゃんのことばかり考えていたんですよ」
母となる身には、すぐそこまで来ている赤ちゃんのことが、何か感じられたのでしょうか?

スコットさん、興奮状態

結果が分かった直美さんは、すぐにスコットさんに連絡します。人生で初めての出来事に、直美さんはまず自分の部屋に行き、心を静めてから電話を。彼は、検査薬を買ったことは知っていましたが、やはり「まさか」と思っていたので、結果を気にすることもなく、その日は疲れてもう寝ていたのだそう……。

直美さんはまず「You will be a father.」と切り出しました。スコットさんが「は?」という感じだったので、「I'm pregnant.」と言うと、明らかに電話の向こうで飛び起きた様子が分かりました。息が荒くなって、「え? ジョーク? 本当? 本当に?」と尋ねます。あまりに心拍数が上がっている様子に心配になり「ゴメンね、大丈夫?」と聞くと「いや、ゴメンじゃなくて……。だって、大変なことだろう?」とやや混乱気味。

彼は「今から行く」と言ったのですが、かなり興奮していたため、運転はやめたほうがいいと思い、「危ないから明日にしたほうがいいよ」と言いました。しかし、「いや、とてもここに1人ではいられない」と……。う~ん、その気持ち、分かるような気がします。

すぐに飛んできたスコットさん。顔を見たら、目は充血しているし、緊張で表情はこわばっているし、おまけにふるえているのです。直美さんは再度「大丈夫?」と聞いてしまいました。でも、スコットさんが来てくれた後は、興奮しながらも安心した気持ちでいられたそうです。

その日は直美さん宅の離れに泊まったのですが、2人で妊娠検査薬を真ん中に置いて、立ったり、座ったり、ベッドの上に正座したり……。スコットさんは「すべてが変わる。人生のすべてが変わる。だからボクは緊張しているんだ」と言いながら、直美さんのお腹に耳を当てたり……。

「あの夜のことは決して忘れません」と直美さんは言います。「あの夜はまるでETと出会った兄弟みたいに、信じられないような気持ちと何とも言えない正義感に似た気持ちが、部屋から溢れていました」
お2人にとって、すべてが変わった日だったのです。


そして、さらに想い出深い日が訪れます……


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