彼とお父さんがいきなり遭遇!
姪っ子のおしゃべりから1年くらいは、お父さんは直接には何も聞いてこなかったそうです。お母さんからは「彼(=スコットさん)を見ればお父さんも安心するから、早く会わせてあげて」と言われていたそうですが、なかなかきっかけがつかめなくて……。……しかし、その“きっかけ”は突然やってきました。
ある日、直美さんを車で家まで送っていったスコットさん、帰りがけに庭にいたお父さんとバッチリ目が合ってしまったそうです。
その時、彼がとった行動は……
「車窓から笑ってお父さんに手を振った」デシタ!!
スコットさんのあまりに屈託のない笑顔に、お父さんは「何だ、アレは?」と笑っていたそうです。一気にほぐれちゃったみたいですね。
当のスコットさんは、自分にとってはごく普通の行動だったし、いきなり目が合ってしまったのでアレコレ考えているヒマがなかった、とのこと。
このあたり、日本人だったらこうはいかなかったかもしれません。カチンコチンに固まって、車を降りて気をつけをして、腰を90度に曲げて一礼……というのが、たいていの日本人男性がとりそうな行動ですものね。それはそれで礼儀正しくて好ましいのですが、お父さんを余計に硬くさせてしまう可能性もある……。このときは、スコットさんの屈託のなさが、お父さんの肩の力を抜くように、うまく作用したようです。
揺れ動く気持ち
お父さんとのことは思いがけずうまくいきましたが、一方で、直美さんの心は、この1年半ほどの間、揺れ動いていました。幸せでありながらも思い悩む日々が続きました |
アメリカに行くこと自体に抵抗はありませんでしたが、過去に恋人と長いつきあいだったにも関わらず破局してしまった経験があるため、それがトラウマになっているのか、人生は自分の思っている通りになるわけではない、容易に「Yes」とは言えない、という気持ちがあったのです。
「この人が本当に掛け替えのない人になればいいなあ……」
そう他人事のように考えつつ、定まらない心……。“この人”と決めていいのか確信が欲しかった、というのがこの頃の直美さんでした。
また、自分だけではない、家族やまわりのいろいろな人を巻き込む出来事になるだけに、安易に即答はできない、という思いもありました。
スコットさんの気持ちはすごくよく分かっていたので、安心感はあったそうです。だた、決め手がなかった……
そんな直美さんを、スコットさんも無理にプッシュすることなく、見守っていました。よく「僕は(直美さんとつきあえて)幸せだ~♪」と言っていたそうですが、かといって束縛するでもなく、直美さんいわく「放し飼いにしつつ、自分色に染めていく感じ」だったそうです。
やがて、彼の存在の大きさを感じさせる出来事が……