「ナオミを嫌いな人はいなかった」
ガイドはスコットさんにも、この頃の感情を聞いてみました。彼は、こちらも恥ずかしくなってしまうくらい、かなり照れていて、「I don't remember well.(よく覚えていないなぁ)」と言いながらも、1つだけしっかり答えてくれたことは……「ナオミは誰からも好かれていて、まわりの人で彼女のことを悪く言う人は1人もいなかった。僕の友達ともすぐ仲良くなってしまって、男女問わず、みんな彼女のことを好きになっちゃうんだ」
同姓から好かれる人というのは、やはりかなりポイント高いですよね。直美さんの場合は、本当に老若男女問わず誰からもだったみたい。ガイドもその1人ですが……。
日本的なモラルとの相違
彼女が帰ってしまった後の寂しさを、スコットさんは1人の部屋で感じていたのでしょうね |
この頃、「もう一緒に住もうよ」という話も出ていたそうですが、そこまでは踏み切れなかった……。やはりそれは文化の違いなのでしょう。
日本では、未婚の男女の同棲は、まだモラル的には公然と認められていない感があります。大都会でならまだしも、直美さんは地方都市に住み、ご家族と同居している身。それにお仕事柄、市内にたくさんのお得意さんもいらっしゃるので、同棲しているところなどを見られたら眉をしかめる年長の方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、結婚がはっきり決まってからなら一緒に住んでもいいというような、暗黙の了解みたいなものもありますよね。
対して欧米では、結婚前に同棲するカップルが多いですが、それは婚約してからでなくその前に、つまり相手と結婚してもうまくやっていけるかどうか確認するために一緒に住むのです。だから“婚約前”に同棲するのがふつうなんですね。この辺の感覚の食い違いが、やはり国際カップルには出てくるようです。
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