“もう1人の直美さん”の予言?
その後、2度ほどスコットさんが銀行に来たのですが、話をするチャンスはありませんでした。
それから月日は流れ……
初めての出会いから、はや1年半ほどが過ぎていました。
冬のある日、直美さんは幼なじみの友だちと“人生の反省会”を開いていました。時々、そんなことをしているんだそうです。
その幼なじみは不思議なご縁がある人で、家はご近所、年齢が同じで、名前もまったく同じ漢字の“直美”なのですって。さらにご兄弟たちも同級生だったり、あちらのお姉さんの結婚相手の誕生日がこちらのお兄さんと一緒だったり……と、共通点がいっぱいあるお友達でした。性格は静と動のようで、だからこそよけい仲良くなれたようです。
その“もう1人の直美さん”に「私はどんな人が似合うのかなあ?」と話しかけたときのこと。「坊主頭で、そんなに背が高くなくて、そんなにカッコいいわけではなく、でもカッコ悪くもない。軽自動車に一緒に乗っているイメージがわいてきた」という言葉が返ってきたのです。もちろん“もう1人の直美さん”はスコットさんのことはまったく知りません。本人も、なぜそんなイメージが出てきたのか分からないとのこと……。
驚いたのは直美さんです。“坊主頭”と“背が高くない”のキーワードから、当然スコットさんのことを思い出しました。
「そういう人がいた! 外国人だったよ」
「思い出したってことは、何か意味があるんじゃない?」
「でも、その後、全然見かけないし、私の好みでもないんだけど……」
そんな会話が交わされたそうです。
運命の再会の日が訪れたのは、そのわずか2~3日後のことでした!
レンタルビデオ屋での再会
直美さんがよくいく地元のレンタルビデオ屋には、5が付く日(5日、15日、25日)は割引になるというサービスがありました。とある“5の日”、直美さんはいつものように来店し、ビデオを探していると……
「棚の前でふと横を見たら、見覚えのある坊主頭があったんですよ~」
後頭部だったので、さりげなく移動して彼だということを確認。それでも、どうしても声をかけることができず、あきらめて帰りかけたときでした。直美さんの頭に浮かんだのは、その年の始めに読んだ占いの言葉。あまりいい年回りではなかった彼女に「いつもと違う行動をするとよい」というようなアドバイスが書かれていたのです。
ここで一念発起! 店を出ようとしていたのですが、くるっと向き直り、再び店内へ。「目が合ったら、挨拶してみようかな……と思いました」
まだ「絶対に話しかける」とまではいかなかったようですが、運よく頭を上げた彼と目が合いました!! 間髪を入れず「Hi !」と会釈を。彼は、後ろに誰もいないのを確かめてから、「えっ、オレ?」みたいなリアクションで、自分を指差したそうです。コックリうなずく直美さん。
さあ、きっかけはつかめました!
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