家族が集まる家
カナダ在住のあるお友達のご主人は、女性の姉妹に囲まれた男1人。そのご家族は仲が良くて、みんな近場に住んでいるものですから、何かと集まる機会が多かったそうです。
そして、彼女たち夫婦が新居を購入すると、集まるのは自然とお2人の家ということに……。
その時、友人が驚いたのは、“彼女たちの家を自分の家のように使う義理の家族”だったそうです。
ご家族に決して悪気があるわけではないんですよ。前回の記事で書いたように、「家族なんだから、自分の家と同じように過ごしていい。うちに来た時も、遠慮しないでどんどん使ってね」という気持ちがあるからなのです。
しかし、我々日本人は、そういうことに慣れていませんよね。
何かを使う時は一声かけてくるだろうとか、ドアを閉めておけばこの部屋には入らないだろうと、自然に考えているわけです。
ところが、これも通用しないんですよね。特に子供がいると、大きな家は遊び場になっちゃいますからね~。
夫のヨーグルトが冷蔵庫から消えたっ!?
中でも振る舞いが気になったのが、義理の妹のファミリーだったそうです。腕白ざかりの子供が2人いるのですが、お母さん(=義妹)がまったく遠慮のない人なので、子供たちも“右へならえ”で……。
やはり家族が集まったある日、冷蔵庫を開けると、ご主人のために買っておいた彼が大好きなフレーバーのヨーグルトがなくなっていたのだそうです。もちろん、家族のためのお料理やデザートは充分用意してあり、これは彼らの日常のための食品だったわけですが……、なんと、義妹が勝手に冷蔵庫から出して、子供たちに食べさせていたのだそう!! 勝手に冷蔵庫をのぞかれるのだって嫌なのに、無断で中のものを食べてしまうなんて……!!
子供がヨーグルトなどを見たら食べたくなっちゃう気持ちは分かりますが、だったら親が一言、持ち主=つまり友人に断るべきですよね。いくら家族だからといっても、これはルール違反でしょう。その日つくるお料理のための食材だということもあるわけだから……。
たとえば実家の冷蔵庫でも、「コレ食べてもいい?」くらいは、私たち聞きますよねえ(食べちゃったら後で断る、とか)。
「次回からは一声かけてね」と義妹に言いたくても、英語でのカドが立たない言い回しが分からないし、そもそもこういうことは言いづらいものです。夫からさりげなく伝えてもらおうと事情を説明すると、「ヨーグルトくらいいいじゃないか、家族なんだし」で片づけられてしまって、ますますストレスが溜まるばかり。ヨーグルトはほんの一例であって、一事が万事、こうなんですけどね……。
この義妹ママの言い分も「家族なんだからいいじゃない」というものらしいです。「もともと兄貴とアタシは、別々に住んでいてもお互いの家に行ったらこうだったのよ」とでも言いたげな傍若無人さは、そんな兄妹仲の良さを、どうやら友人にわざと見せつけたがってもいたようなのですよね。
結局、義妹の行動は直りそうもないし、これ以上言って夫の機嫌をそこねたくもないので、友人は「自分がこの状況に慣れるしかないか~」と、なかばあきらめの境地だそうです。
この“夫の妹”とは、妻にとって大変ビミョーな存在。国際結婚でなくてもよく聞く問題ですし、映画やドラマのモチーフにもしばしば使われていますよね。
次回はそんな義妹とのトラブル例を、さらにご紹介します。
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