ファミリー・トゥリーの端っこで……
話のきっかけ作りにも大いに役立ったファミリー・トゥリー(家系図)がコレ |
眺めていると、やはりそれを見に来た人たちがいます。目が合うと、気さくに笑いかけてくれました。これは話をするチャンス! 思い切って話しかけてみました。
「この系図のどこにいらっしゃるんですか?」
「僕はね~、えーっと、あ、ここだ。この人が僕の奥さん」
と、少し離れた“枝”の系列にある1人を指差しました。どうやら、ご本人のお名前は載っていないようです。あまりにも多くの人がいるので、配偶者までは記載できなかったのでしょう。
「君はどこなの?」
「私は……(と指差して)、この人が私の夫です」(私の名前もないので)
「ああ、そうなんだ。今回、日本からこのために来たんだよね?」
義父が挨拶の中でスイス国外からの参加者を紹介したので、それを覚えていてくださったようです。
お互い、名前の記載もない、ファミリー・トゥリーの端っこにいる者同士ですが、その共通点がかえって親近感を生んだようで、それから会話がはずみました。
2階のデッキはこんな感じ |
シャイな夫もこの手を使っていました。日本に関心のある方や、旅行に行きたいという方もいて、彼が質問攻めにあったことは言うまでもありません。
うれしそうな祖父の笑顔
船の前で名残惜しそうな人々。その中心には祖父の姿が |
私たちもそう。忙しい中、スイスまで来るのは時間的には厳しかったけど、本当に来てよかったね~と2人で話しました。
何より感動したのは、祖父のうれしそうな笑顔でした。なんせ、参加者の中では最年長。誰よりもこのファミリーの系譜を知っているのです。みんな祖父のことを尊敬し、祖父のところに挨拶に来て、言葉を交わしていきました。あんなにうれしそうな顔を見せたのは、祖母が亡くなってから初めてのことだったようです。
船を下りてからも、人々は名残り惜しそうに、いつまでもその場から去ろうとはしませんでした……。
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