文化の違いじゃなかった! 男と女の脳の働きが違うのだ
『話を聞かない男、地図が読めない女』 アラン・ピーズ/バーバラ・ピーズ 著 藤井留美 訳 ¥700(税込) 主婦の友社 |
2000年に大ベストセラーとなった『話を聞かない男、地図が読めない女』。2002年には文庫化され、その後、続編『嘘つき男と泣き虫女』も出版されました。
著者はオーストラリア人夫妻で、夫はボディ・ランゲージの世界的な権威。二人でこの本を書き上げるのに、35カ国を取材で訪問し、約3年の歳月を費やしたそうです。
はっきり言って、この本には国際結婚のことは何も書いてありません。事例として登場するカップルも、みな同国人同士の結婚です。しかも日本人ではない……。
でも、なぜか納得できるし、同意できるし、思い当たるフシだらけなのです。
だから、みなさんにもぜひおすすめしたいと思ったわけです。
国際結婚の場合、特に新婚さんに多いのですが、パートナーとのケンカやささいな行き違いを、すべて文化の違いのせいだと思ってしまう傾向があります。「帰宅した夫がちっとも自分の話を聞いてくれない」「なぜだか分からないけど妻がすぐ怒り出す」……こんな悩みをもっている人、「生まれ育った文化が違うから、結局、本当には分かり合えないのかなぁ」とどこかであきらめていませんか?
その必要はありません。
この本を読むと、原因は文化の違いではないことがよーく分かります。
男と女はそもそも脳の働きが違うのですって。それは、狩猟時代にまで遡って、男女の役割分担というところに起因しているのですが、その脳の働きの違いから、行動に特徴的な違いが出てくるのだそうです。
私は大笑いしながら読みましたけど、読みながら何度も思ったのは「そうなんだ、彼だけじゃないんだ!」ということでした。“男性の行動にはこういう傾向がある”ということが具体的に書かれており、しかもほんとが夫婦の事例であるため(ときどき著者カップルの体験談も出てくる)、より納得できました。
やはりこういう問題に直面するのは“結婚生活において”だと思うのです。恋愛時代はまだ相手にすべてをさらけ出さないし、合わないと思ったらお付き合いをやめることもできるわけですから。
女性の行動についても同様です。私自身のことでも「ああ、こういうこと、確かにしているよな~」と思えることがたくさんありました。反省もしました。私だけじゃないんだなぁとも思いました。
ガイド記事「『国際結婚って自慢?』の真実」で、「普通の結婚と同じと思っているので、特に自慢とは思わない」が1位になりましたが、それにも通ずるものがあるのではないでしょうか?
夫婦間で問題になること=その元となる“男と女の違い”は、国籍やら文化の違いやらを超えて普遍的なんだと、しみじみ思わせてくれる本です。