盥(たらい)の醍醐味といえば……行水です
洗う・浸すなど多様な暮らしの道具ですが、中でも、盥(たらい)を使った「行水」は夏の風物詩。江戸時代、火事予防のために内湯が禁じられていたことから「行水」することが多く、明治・大正・昭和に入ってからも、家庭に風呂が完備されるまでは、風呂屋と共に暮らしの一部だったそうです。なるほど!理に適ってます「日向水(ひなたみず)」
行水と言っても、大きな盥(たらい)に沸かした湯をはるのは重労働。そこで、天気のいい昼間のうちに水を張っておいて、太陽熱でぬるま湯になった頃に行水する…そんな暮らしの知恵がありました。(日向水=太陽に当たって温まった水。また、なまぬるい水のこと)
こんなとき、盥(たらい)を使うと満足度アップ!
桶職人さんの成せる業!……でも、肝心の職人さんが少なくなってしまいました |
お庭やベランダで足浴をしながら夕涼み……同じことをしていても、本物を使うとなんとなく満足感が違う!
違いがわかる人のオフタイムにいかがでしょうか。
【ちょっぴり雑学:盥回し】
贈答品などをそのまま別のところへ流用したり、役所や病院などで「あちらへ行って」と言われてそこへ行くと、今度は「そちらへ」などと回されるなど、ひとつの物・事をぐるぐる他の人・場所に回すことを「盥回し」と表現しますが、これは、足で盥を回す曲芸からきた言葉です。