西湘バイパス、ターンパイク、そしてスカイライン
東京からの日帰りのドライブで、海・湖・山をまんべんなく楽しむとなると、ま、こういったルートが定番幕の内辨当のようなコースとなる。出かけたのは、三連休の始まりの土曜日なのであったが、高速道路は朝から遠出するクルマが犇めいて、まさしく拘束道路となってしまった日でも、こういう渋いルートは案外すいすいと走れて、キモチのよいものである。そして、目的地のひとつが気の利いた蕎麦屋であるということもあいまって、気分はいやでもハイになる。
小田原の小さな魚市場を見学して、いまでは企業名が冠についたターンパイクに自動車の鼻先を向ける。山頂の大観山の展望ラウンジは、ターンパイク利用者はもれなく400円で飲物頂き放題というサロンに変貌していた。
1960年代風のちょっとレトロなインテリアと、関所跡から広がる箱根の風景はなんだか妙にマッチして、心和む一時を提供してくれる。
大観山を後にして箱根スカイラインを拾うと、そこはもう、アドレナリンを誘う上り100‰(パーミル)のワインディングだ。
圧倒的な横Gを感じながらどこまでも続く上り坂を攻め立てていくと、視界の左手に北斎が描いたような富士の峰がぐいぐいと引き寄せられてくるのである。
さあ、もうすぐ目的の蕎麦屋だ