ノシの正確さを「カタチ」で見てはいけない
前ページのようにたためても、麺線が揃うかというと、アマチュアの方の場合大抵うまくいきません。それは、前ページのようなきれいなタタミが強迫観念となっていて、本来のすべきところでないところをのしてしまい、90%以上の確率で「情けないほど薄い」ところができてしまうのです。
最近は、段位認定大会が各地で開催され、そば打ちを他人の前で行う機会が増えてきました。そのせいもあるのでしょうか? 「うまく切れない」ということを訴える方のほとんどが、この「見せかけの四角症侯群」に陥っているのです。
▲正確にのすための秘密のツール登場
そば打ちは、地味な部分ほど大事です。本ノシを正確に四角く出すためには、玉を手でつぶす段階から正確な厚みで進行していかなければなりません。
しかしながら、他人の目を意識すると、ついついノシの目的を忘れ、遠目にみて丸かったり四角かったりすれことを優先させがちです。
▲本ノシを成功させるためには、手ノシが重要
丸く作った玉を、まず最初に麺棒を使わずに手で厚みを整える手ノシ(地のしともいいます)は、とても地味な作業ですが、ここで正確な厚みを出しておかないと、その誤差が最後の最後まで影響します。
▲ゲージを使えば、角だし(かどだし)もこの通り
このように、手ノシにおいては、カタチが丸いことだけでは不十分で、正確に15ミリの厚みに整えておく必要があります。そして、この厚みの検証は、人間の手の感触が最も苦手とする感覚のひとつ(ちなみに、0.8mmと1.0mmの差は、人間の手のヒラは鋭敏に感知できます)。
そこでこのような厚みを確かめるゲージがとても役に立つのです。
一口に「ゲージ」といっても、実はいろいろあるのです(次のページへ)…