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製粉用の篩について、田中三次郎商店の社長に伺った メッシュは日本独特の呼称

メッシュとは、1インチ(約2.54cm)の間に何本の網目が通っているかという事を示すものである。だから、60メッシュのほうが、30メッシュよりも細かい目の網であるとされている。

執筆者:井上 明

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蕎麦の製粉に欠かせない篩のことについて、業界シェアナンバーワンの田中三次郎商店の二代目・田中宏始社長にお話を伺うことができた。

■メッシュという呼称は日本独特のもの

篩の仕様を表す、もっとも有名な単位(?)は「メッシュ」ではないだろうか。これは、1インチ(約2.54cm)の間に何本の網目が通っているかという事を示すものである。だから、1インチに60本の網が通っている60メッシュのほうが、30本しか通っていない30メッシュよりも細かい目の網であるとされている。
なお、国産の篩の中には、「目」という単位をもつものもあって、こちらのほうは1寸(約3.03cm)の中に何本網が通るかを示している。

でもこの呼称は、実は日本独特のもので、国際的なものではないのだ。

図をご覧いただこう(クリックすると拡大図が出る)。Bはヘビーデューティ(HD)という仕様で、例えば土砂のような重い粉体を篩うために網が太くなったタイプ。Eは、軽い粉体専用にしたため網を細く仕上げたハイキャパシティ(HC+P)タイプで、キャシャではあるが、その替わりに粉を篩う効率がよい。

このBとEを比べてみるとき、仮に画像の左右を1インチとすると、Bは4メッシュ、Eは5メッシュということになる筈だ。つまりメッシュで表す限り、EのほうがBよりも細かな目であるこということになるのだが…。図をご覧いただくと一目瞭然。このケースはEの目のほうが粗い。

それというのも、昔はナイロンメッシュが発達していなかったため、網自体の太さはさほど変化がなく、目の数だけで粗い/細かいを示せたわけだが、現代ではそれが全く通用しなくなったというわけだ。
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■国際的には「オープニング」を使う

この表は、田中三次郎商店が取り扱う網のごくごく一部である(実は川越蕎麦の会が開発した玄蕎麦碾きぐるみ用の篩セットの初号試作のラインアップ)。品番の次の目開きという数字が「オープニング」である。その網が何ミクロン角で開いているかという実寸を示したものである。この標記であれば、網が太かろうが細かろうが実際に篩われる粉体の大きさが把握できるわけで、より正確に表現できるというわけだ。
品番 目開 篩商品記号 糸の太さ メッシュ 目開率
Fabric# μm Sefar Nimber micron per inch %
8XX -180 PA-8-180 80+2x60/70 91/102 46
15GG -1400 PA-15GG-1400 450/405 14.2 59
28GG -710 PA-28GG-710 265 26.0 53
60GG -280 PA-60GG-280 155 60.5 45
40GG -475 PA-40GG-475 215 38.0 48
▲網の仕様表の一例

※図版提供:田中三次郎商店

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