【さあ、お蕎麦を打ってみよう01:そば粉の基礎知識】
そばサイトでは、連載CloseUpの第一弾として、【さあ、お蕎麦を打ってみよう】シリーズを開始する。このシリーズを読むだけで、誰もが美味しいお蕎麦を打てるように、親切丁寧に解説していきたい。ご愛読いただけると嬉しい。
■まずはじめに、「お蕎麦」に正解はないというお話
100人いれば100通りの蕎麦があり、それぞれに個性的で異なった魅力がある。そして、一口に「蕎麦」といっても、北は北海道から南は鹿児島まで、蕎麦産地特有の流儀があって、これまた同じテーブルで優劣を語るべきものではないはずだ。
しかし、お蕎麦は「細く、長く、切れずに」仕上げるのが、大抵の場合よいとされているから、このコーナーでは、私(ガイド)がいつも行っている江戸流を基本とするやり方にて、そのあたりのコツをお話したい。
まぁ、100人100色と言われる蕎麦打ちの流儀のことだ、皆様のやりかたとは違っているかもしれないが、ここはひとつよろしくお付き合いいただきたい。また、お気づきの事があったら、ぜひともお聞かせ願いたい。
■どんなそば粉を入手したらいいのか?
まず、何はなくともそば粉の調達だ。碾きたてが旨いと言われるように、そば粉は鮮度が肝心だ。ピラミッド型をした蕎麦の実(玄蕎麦=げんそば)の殼を外して「丸ヌキ」を作り、これを低速回転の石臼で碾いた国産そば粉が上物とされている。製粉したそば粉は、劣化が早く、なるべく早く打ってしまいたい。新鮮な粉は、水分の含有量も適切で、手打ちをするときに加水した水によく馴染み、とても打ちやすく失敗が少ない。もちろん。こういった粉で打った蕎麦は旨さも格別である。
これにくらべて、よく観光地のお土産店などで、何日も太陽光線にさらされたような「そば粉」をみかけるが、このようなそば粉は劣化が進み、味が期待できないばかりでなく、手打ちにしてみても切れ切れになったりひび割れたりして始末に負えないことが多いものだ。
お知り合いに蕎麦打ちの達人がいる場合、こういった粉をお土産にしないほうが無難だ。打ちやすい粉をいい粉を、独自のルートで調達している「達人」さんにとっては、迷惑だったりするから要注意である。
■そば粉はどこで買ったらいいのか?
餅は餅屋という。そば粉もそば粉屋(製粉所)から求めるのが一番だ。一口に製粉所といっても、業務用向けの大量卸ししかしていないところと、素人向けに小口売り対応をしてくれるところがある。当サイトでは《ここ》で小口売り対応の製粉所をリストしているので、参考にして欲しい。
そんなに広い業界ではないから、製粉所リストの順番にそば粉を取り寄せてみるのも一興かもしれない。そのうえで、自分の好みにあった味と、製粉所のサービスを選べばいいのだ。
ところで、そば粉やさんに何て言って注文したらよいか?
次の呪文を唱えて欲しい、その意味は、次のCloseUpにて解説する予定だが、このように注文すれば間違いなく手打ちができる粉が届くだろう。
呪文『一番いい並粉(なみこ)を1kgと打ち粉(うちこ)を少しだけください』
なお、製粉所によって支払方法がまちまちなので、よく確認してから注文したい。
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