2月26日付朝日新聞夕刊の「惜別」欄に、そば研究家・新島繁さんが2001年1月27日に心不全のためご逝去されたという記事が掲載された。享年80歳。謹んでご冥福をお祈り申しあげる。
新島さんは、戦後まもなくの1948年、東京・新宿にて蕎麦店を開業。いまも「さらしな総本店」として後代が盛業中だ。
根っからの研究熱心で、素人の店が盛業するために、蕎麦の文献や資料を集め、「そば会」を開いては研究成果を披露した。1970年、自宅に「日本麺食史」研究所の看板を掲げ、「蕎麦史考」「近世蕎麦随筆集成」などの貴重な資料をまとめあげた。
柴田書店の年刊「そばうどん誌」にも、軽妙洒脱な「麺子江戸小咄」を長期にわたって連載してこられ、その博識と学究的な姿勢で、多くの蕎麦ファンを魅了した。
研究の中で俗説や誤謬を数多く指摘したことも有名で、蕎麦の世界に多大な功績を残した偉人であった。
なお、新島さんに関する哀悼記事は、上記朝日新聞夕刊の他、いま書店で発売中の柴田書店刊「月刊食堂」においても採りあげられている。
合掌
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