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真狩村のコンフィチュール職人(2ページ目)

北海道の小さな村にひとりで素晴らしい果実のジャムを作っている女性がいます。フランスに渡り、クリスティーヌ・フェルベールさんのもとで修業した彼女に、おいしいジャム作りの秘訣をうかがいました。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

田舎で作ること、ひとりで作ること、果実のおいしさをそのままに

「ジャムとコンフィチュール、私はとくに言葉を使い分けてはいません」
と鈴木さん。大切にしているもの、自分がしたいこと/したくないことが明快で、現在のコンフィチュール作りの方法が、さまざまな選択のシーンにおいてひとつひとつ納得のできる道をじっくり選んで積み重ねた結果であることがうかがえます。

最も重視したのは、田舎で地元の素材を活かして作ること、ひとりで作ること、果実のおいしさをそのままに仕上げること

ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ

「都会が苦手なんです。目に映る風景がいやで(笑)」
という鈴木さんは真狩村にほど近い洞爺村(現「洞爺湖町」)の出身。お菓子の店を開くという目標を抱いて、高校卒業後は東京の製菓学校へ。さらにそのフランス校でも技術を身につけた後、ウィンザーホテル洞爺や、真狩村のなかなか予約が取れないことで知られる人気レストラン&オーベルジュ「マッカリーナ」でパティシェとして働きます。

この体験がラ・ベル・コンフィチュール・マサコの基盤となったようです。マッカリーナに関わる人々との交流は現在でも続き、同じマッカリーナ出身のパン職人が真狩村に開いた小さなセンスの良いパン屋さん「BOULANGERIE JIN(ブーランジェリー・ジン)」とともに協力しあって、地元の食材を活用した“おいしいトライアングル”を形成しているのです。

実力と洗練を兼ね備えたこの3軒に共通するのは、「ここでしか食べられないおいしさ」をゆったりと楽しんでほしいという願い。ラ・ベル・コンフィチュール・マサコではお客さまの要望に応じて通信販売も受け付けていますが、真狩村を訪れて村の空気とともに味わってもらうのが何より嬉しいのだそう。夏~秋の週末には鈴木さんの自宅の軒先でのコンフィチュール販売もあるそうですから、作り手と直接言葉を交わしながら購入することができますね。

▼アルザスの村でフェルベールさんから学んだこと

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