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真狩村のコンフィチュール職人(5ページ目)

北海道の小さな村にひとりで素晴らしい果実のジャムを作っている女性がいます。フランスに渡り、クリスティーヌ・フェルベールさんのもとで修業した彼女に、おいしいジャム作りの秘訣をうかがいました。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

このとき味見させていただいた水門とミントのコンフィチュールには、さくらんぼが一粒ずつ完璧なかたちで息づいていました(写真下)。

スプーンですくって一粒を口に入れると、視界がにわかに薔薇色に染まりました。(私には少しだけ共感覚があるらしく、時として味覚が音や色を伴ったりするのです) いつまでもその中にたゆたっていたいような、みずみずしさと気品のある薔薇色。涼感を添えるミントの香り。

ラ・ベル・コンフィチュール・マサコ

2月のコンフィチュール3種

自分用に購入することができたのは、2月のセット3種類(150g、各800円)。広島県大崎上島町のネーブルオレンジを使った「ネーブルオレンジのジャム」、オレンジにシナモン、八角、ジンジャーコンフィを加えて作った「ネーブルオレンジと3種のスパイスのジャム」、そしてオレンジとヴァローナ社のチョコレートを贅沢に合わせた「ネーブルオレンジとヴァローナチョコレートのジャム」。

それぞれにおいしい食べ方のヒントを記した小さなメモが添えられています。たとえばネーブルオレンジのジャムには「お肉との相性も抜群なので、鴨肉やスペアリブなどの料理のソースや下味用としても使ってみて下さいね」。
オレンジとスパイスのジャムには「寒い日はヴァンショー(ホットワイン)にして楽しんでみてはいかがですか?」。オレンジとチョコレートのジャムには「焼きたてのトーストに塗って食べると、とっても美味です。バレンタインデーにはこのチョコレートをプレーンなクッキーに挟んだり…」

心躍るアイディアの数々がさらりと綴られているのですが、結局のところ、私はどれも試していません。瓶から木のスプーンですくって、そのまま「ひとくちデザート」として食べています!

次のコンフィチュールはいつ発売されるのかな、と思ったらどうぞラ・ベル・コンフィチュール・マサコのWebサイトをのぞいてみてください。この記事を読んで作り手の姿勢を汲んでくださった方なら、必要以上に欲ばりな注文をしたりはしないし、もし売り切れていても、のんびり次の月を待ってくださることと思います。小さな村の素敵な作り手を愛するとは、たぶんそういうことですよね。
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