ワイン/ワイン産地と生産者のレポート

ニュイ・サンジョルジュの魔術師たち(5ページ目)

ブルゴーニュ現地取材シリーズ。今回はニュイ・サンジョルジュのワイン試飲会場で出会った生産者の顔と2006年のワインをレポート。この赤ワイン、飲まなきゃ損ですぞ!

執筆者:橋本 伸彦

マルサネ地区は創設20周年

この日はニュイ・サンジョルジュのワインを堪能したのだが、夜にはディジョンに近いコート・ドール北端のマルサネ村にシャトー・ド・マルサネを訪れた。ACマルサネ、つまり原産地呼称として規定された地域マルサネは、1930年代以降に新しく創設された初めてのAC地域。役所を説得するなどして新設にこぎつけるまで、非常に難航した。そんな1987年の創設から20年周年を祝うために、関係者が招かれたのである。

伝統的なセラーをモダンに仕上げた会場に業界関係者が集う

ワインはもちろん、マルサネが主役だ。ACマルサネは村名エリアには珍しく、赤・白・ロゼの3種類が含まれる。祝宴の前には大勢の参加者がシャトーのあちこちを見て回りながらワインを楽しめるよう、あちこちにボトルが用意され、若く快活なスタッフたちがフィンガーフードを満載した盆を手に「おひとつどうぞ」とすすめて回る。ゲストはひとしきり建物を探険し会話が盛り上がってから、地下セラーのテーブルへと移るのである。

ジャッキー・リゴー氏
スピーチとディナーの合間にも、生産者たちがテーブルを回って自慢のワインを注いでくれる。どれもフレッシュでアロマティックで、それぞれが醸造に工夫を凝らしている。いっぽう、業界の大御所も祝福に訪れる。たとえば写真のジャッキー・リゴー氏は、大学教授で『アンリ・ジャイエのワイン造り』や『 ブルゴーニュワイン100年のヴィンテージ』というブルゴーニュ関連の著書の邦訳が出版されている。こんな人と直接話が出来るのも、現地を訪ねる楽しみのひとつである。ブルゴーニュの人々のホスピタリティーに触れる。そんな一日であった。

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