クラシックな濃厚さ
ドゥニ・シュヴィヨン氏 |
しかしワインは雄弁である。1級畑レ・ロンシエール2006年はぐっと中身の詰まった、濃厚でなめらかな飲み口で、飲んでいてホッとする。伝統的なテロワール(地域性)を色濃く反映した、素朴で温かいキャラクターなのだ。
シュヴィヨン氏が同じワインの2000年を注いでくれた。外観からして美しいレンガ色に熟成して、豊かな熟成香がスパイシーでスモーキーな味わいと渾然一体となっている。誰もが爽やかでエレガントな味わいへと移行する時勢にあって、シュヴィヨンのスタイルこそニュイ・サンジョルジュの醍醐味である。
アクセントを効かせた味わい
ピエール・グージュ氏(手前)と息子のグレゴリー |
単独所有の1級畑クロ・デ・ポレの2006年を試すと、ほろ苦くスモーキーでぴりっとしている。かなりきっぱりと力強い味わいだと思ったら、同じ畑の2005年ときたら、さらに口の中にしみるほどパワーがあって明らかに長熟タイプ。早く飲むならば2006年のほうが、バランスよく快適に飲めそうだ。牛肉が合いそうですねと言うと「うんうん、グリルなんか良いんじゃないかな」とのことだった。しっかりパンチが効いていながら、重すぎずキレがいい。こんなスタイルもあるのだ。
→ Page 4: スタイリッシュに洗練されたワイン