ワイン/ワイン産地と生産者のレポート

ピノ・ノワールの巨匠フーバー(2ページ目)

トップクラスのピノ・ノワールを造る男が、なんとドイツにいる。巨匠ベルンハルト・フーバーが最新作の畑名ワインを引っさげて来日し、自らのワイン造りを語る。

執筆者:橋本 伸彦

さらなる進化としての畑名ワイン

2003年ヴィンテージまで、彼のピノ・ノワールは樹齢によって4段階に分かれていた。4つのワインはまず若樹のブドウで造る白いラベルのユンゲレーベン(12年以下)とマルターディンガー(12~20年)、格上の2つは茶色のラベルのアルテレーベン(20~40年)とレゼルヴェ(40年以上)。白ラベルは比較的早飲みでフレッシュかつ軽やかな味わいなのに対して、樹齢が上がるほどブドウの凝縮度が高まり、若い間は風味が強いが長い熟成を経て素晴らしい風味を醸し出す。

2004年ヴィンテージから、最上級のレゼルヴェはそのブドウが育つ特級畑の名前を冠した4つのキュヴェに分かれた。この事についてフーバー氏は「ブルゴーニュでは畑ごとにワインが造られて、飲む側も畑の個性を楽しむではないですか? ドイツでもいい仕事をしたブドウを使えば、それと同じように楽しめるワインになると思ったのです」という。

茶色のラベルは白い部分にキュヴェ名が書かれている

ベーシックな白ラベルはなめらかな果実味がたっぷりで、程よく酸味や芳香が効いていて全体のバランスが良い。価格も1本数千円と手頃である。だが樹齢20年以上のブドウを使った茶色のラベルのアルテレーベンから、特にフーバーの醍醐味が味わえる。


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