ミネルヴォワ 赤の実力
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キュヴェ・グラナクサ |
続く赤のキュヴェは、紫がかった色で若いうちにさらっと飲めるバスティード、もう少し赤身肉やチェリーの感じが入ってなめらかなレ・プロ。どちらも軽やかな飲み口で料理に合わせるのに重宝しそうだが、南の大地の香りとでも言おうか、ミネルヴォワの特徴はきっちり出ている。
次の赤、グラナクサは熟したチェリーやプラムの果実味がきちんと詰っている。収斂味・酸味も程よくきりりと味わいを引き締める。闇に浮かび上がる真っ赤な薔薇のイメージは、なるほど風味を適確に表現している。聞けばフランソワーズさんがラベルのデザインを決める時に、必ずワインのスタイルに沿ったデザインを選んでいるのだという。
熟成と共に深みを増して
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キュヴェ・オリアンス |
赤の真打が、オリエンスである。シラー主体のかっちりとスパイシーな赤のラベルに、なぜ黄色いバラ?と思ったが、参考に供された2001年ヴィンテージを試して合点が行った。獣や乾燥スパイス、ほろ苦くスモーキーなアロマが、数年の熟成を通してドライフルーツのようなまろやかさにまとまっているのだ。現行ヴィンテージの2003年はジューシーなチェリーの感じで楽しめるが、まだまだ香りが閉じ気味。美味しく飲むには瓶熟成させるか、ゆっくり空気に触れさせたい。
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コレクション・アール・エ・エセ |
最後にごく少量生産しているという、コレクション・アール・エ・エセという甘口白ワインを利いた。ブドウの上にかかる葉を摘み取って1ヶ月遅摘みしたグルナシュとルーサンヌが半々、新しいワインを入れた樽から順次古い方のワインの樽へと注ぎ足していくソレラシステムで熟成させたユニークな造りである。ソレラだからノンヴィンテージ。アルコール16%、残糖がリットルあたり30g、限定生産ゆえ未輸入。甘味も程よく、ハチミツや心地よいヘーゼルナッツのような酸化熟成香がカラメルのような風味に溶け込む。フランソワーズさんと参加者が、しばし味わって微笑む。「…おいしいわね!」
「難しいこと抜きで、素直に楽しめるワインを目指しているのよ」というクープ・ローズ。母の日には、母上の好みにあわせて1本選んではどうだろう。
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