切っても切れない紅茶と器の関係。おいしい紅茶は素敵なティーカップでいただきたい。そんな風に感じている人も多いはず。
紅茶やコーヒーなど、食事のあらゆるシーンを彩る香蘭社のショールームが3月8日、銀座6丁目に新装オープンしました。百貨店の香蘭社コーナーでも扱っていない商品も多数販売。銀座ショッピングのルートに加えたいとても便利なところにあります。

華やかな春を演出したショールーム。
ここでは明治期のデザインから復刻したものや、長く愛され続けるシリーズなど、ショールームでしか見られない品々が並びます。さらに、今回の新装オープンに合わせて本社のある佐賀県有田から持ち込んだといわれるからくり人形も展示。新生活の食器や贈り物にもふさわしい器も豊富です。

香蘭社は創業130年。しかし、およそ300年も前から有田の地で磁器の製造してきた歴史ある磁器メーカー。輝きを放つ奥深いルリ色や蘭の模様が同社のイメージとして強いのですが、日本らしいテイストを活かしつつ、現代にマッチするデザインで多数のデザインや形を生み出してきています。

創業130年を迎えた際、19世紀末から20世紀初頭にかけて海外の万国博に出品された同社の磁器を復刻。それらの美しい逸品、おすすめのティーカップなど、銀座のショールームで見つけた素敵な品をご紹介します。

香蘭社の絵付けや文様で歴史が蘇る 万博出品のうつわ


間取菊唐草松竹梅(まとりきくからくさしょうちくばい)
◆1878年 パリ万博出品 金賞受賞
間取菊唐草松竹梅(まとりきくからくさしょうちくばい)
絵付けは古伊万里風で、間取りと呼ばれる磁器の絵付けをする表面全体に菊や松竹梅を施しています。これだけたくさんの絵柄が織りなされていても豪華というよりかわいらしいのは、そのカップの形状によるものでしょう。


色絵麒麟花鳥唐草文(いろえきりんかちょうからくさもん)
◆1893年 シカゴ万博 金賞受賞
色絵麒麟花鳥唐草文(いろえきりんかちょうからくさもん)
カップ中央に描かれているのは中国の聖なる獣といわれるキリン。その背景には梅の木。全体の雰囲気を重厚に感じさせている黒の色使いが特徴的で、これは釉薬によって光沢がうまれない、ブラックホースンという黒色のマット仕上げによる効果。微妙な質感や筆遣いの違いは写真では伝わりにくいかもしれませんが、これは通常より多くの工程を経て作られています。

染錦唐草遊犬(そめにしきからくさゆうけん)の図
◆1909年 シアトル万博 グランプリ受賞
染錦唐草遊犬の図(そめにしきからくさゆうけん)
白と黒の子犬がじゃれ合い小菊が全体の構図をバランスよく取り巻いています。他の磁器と比較しても、白い磁器の素肌が残り力強さより柔らかさが表現された品。

四方割鉄線花外赤濃(しほうわりてっせんかそとあかだみ)
◆1930年 リエージュ万博出品 グランプリ受賞
四方割鉄線花外赤濃(しほうわりてっせんかそとあかだみ)
赤絵によって描かれた鉄線。鉄線とはクレマチスのこと。中心の花とそれを際立たせる葉が左右対称にハンドペイントによって仕上げられています。呉須で描かれた葉が全体のバランスをとり、引き締め効果を発揮。また、ポットのふたは、おちょこをひっくり返したような形で独創的ですね。