1906年、外国産紅茶ブランドとして日本に初めて来航してきたリプトン紅茶。おなじみの黄色いパッケージのティーバッグやペットボトルなどで広く親しまれていますね。

1890年サー・トーマス・リプトンが最初に所有した、スリランカ ウバ地区にあるダンバテン茶園。現在はリプトンの所有でないものの、リプトンが紅茶を飲みながら茶園を見渡すお気に入りの場所であったリプトンズシートは名所となっているとか。(写真提供:ユニリーバ・ジャパン)

リプトン紅茶はユニリーバを代表する紅茶のブランド。ユニリーバはリプトン以外に、ブルックボンド、PGティップスといった紅茶ブランドも抱え、同社による紅茶の世界シェアは約12%に及びます。
世界での年間紅茶買い付け量は約30万トン。リプトンの紅茶は100カ国以上で販売されているそうです。

神経を研ぎ澄ましてテイスティングに向かう江間氏(写真左)とウプラ氏(写真右)。日本向けの軟水に合うようブレンドされます。
ケニヤに自社茶園、25カ国で製品製造、21カ国にブレンドの設備を構え、同じ名前(例えばイエローラベルのように)で売られていても消費される国に合ったブレンドが作られているのです。
今回は、世界で一番飲まれているリプトン紅茶を支える「ティーバイヤー」のウプラ・セナナヤカ氏と「ティーブレンダー」江間俊也氏のお話を伺い、ブレンドの世界に迫ってみましょう。

ティーバイヤーとティーブレンダーがブレンドの生命線を握る


ウプラ・セナナヤカ氏。
ユニリーバ スリランカの最大の得意先は日本であり、日本向けには日本の消費者が好む香りと味に優れたハイグロウンティーを主に輸出しているとのこと。
たとえば「イエローラベル」のようにいつでも手に入る紅茶は単一の茶葉からできているわけではありません。イエローラベルには厳選された数十種類もの茶葉がブレンドされ、毎回同じ香り、同じ味になるようにつくられています。

原料となる茶葉は、摘まれる茶園や摘まれる時期も異なれば、それぞれの出来栄えも異なっているので、イエローラベルという紅茶はブレンドが生命線を握るといってもおおげさではないのです。

同社の紅茶は大きく分けて「茶葉の買付」と「ブレンド」を柱として出来上がります。
江間俊也氏。
テイスティングではライトの照度、テーブルの色にまで決まりがあり、同じ状況のなかでバラエティ豊かな紅茶をテイスティング、ブレンドをしていきます。
たとえばスリランカの場合、毎週コロンボで行われるティーオークションで、自社で設定した基準に従い紅茶の買い付けが行われています。紅茶の世界にはグレーディングの国際基準がないため、紅茶会社はそれぞれに自社の紅茶選定基準を設けているのですが、ユニリーバでも独自の基準を設定して求める茶葉を買い付けているとのこと。
紅茶の買い付けを担当するウプラ氏は、「日々品質の異なる茶葉と、変動する茶葉の価格などを吟味しながら、最終消費地で求められる茶葉を常に一定量確保しています。」そして、ティーバイヤーが買い付けた茶葉からブレンドが行われるため、どの茶葉をどれくらい選ぶか、ティーバイヤーの力量にかかってくるわけです。

ティーバイヤーが選んだ茶葉からテイスティングを重ねながらブレンドを決定するのがティーブレンダーの江間氏。ブレンドを最終的に作り上げるのはティーブレンダーの仕事で、人間の五感のうち、視覚、嗅覚、味覚、触覚を使って、”いつもの味”が作られるのです。