紅茶ラベルを読む
スーパーやデパートなどパッケージ紅茶(包装茶)を買う場合、パッケージに貼られている食品表示ラベルのみが手がかりです。ラベルの情報を用いた賢い紅茶選びについて考えてみましょう。
まず、念頭においていただきたいことは、紅茶は加工食品であるということ。すべての加工食品には名称、原材料名(食品添加物を含む)、内容量、賞味期限、保存方法、原産国名(輸入品の場合)、製造業者等の氏名または名称とその住所を表示することが義務付けられています。JAS法、食品衛生法、計量法等により紅茶の表示には次のような内容が記載される必要があります。以下の表をご覧ください。
この表示をどのように読み解くのかについて、さらに気になる点について取り上げてみます。
名称(品名)について。
このほかに香料などが使用されたフレーバードティーは括弧でフレーバードティーであることが分かることを記載しなければなりません。
原材料名について。
使用される原材料のすべてを量の多い順から表示。紅茶の場合は「茶」あるいは「紅茶」と表示されています。紅茶以外のフレーバーが施され、日本で使用しても良い香料である場合、一般的には香料という一括名表示が認められています。また、香料ではなく果実や花びらが含まれている場合は、具体的な名称(オレンジピール、ヤグルマギクの花など)が使用量の多い順から記載されます。
原料原産地名について。
例えばブレンド紅茶の場合、原料原産地名(原産国名)にインド、スリランカと記載されていれば、インド産紅茶のほうがスリランカ産紅茶より多くブレンドされているとわかります。
パッケージの裏には情報がいっぱい。 |
これは未開封の状態での期限を意味しています。
賞味期限表示については一般にこのような基準があります。年月または年月日で表示。
(1)製造日から賞味期限までの期間が3ヶ月以内のものは「年月日」で表示。
(2)製造日から賞味期限までの期間が3ヶ月を超えるものについては「年月日」または「年月」で表示。
このことから、紅茶は製造されてから数年の賞味期限があるため年月で表示されています。昨年購入した紅茶には年月日が記載されていたものも多く見られたのですが、今年は年月で表示されている商品がほとんどです。
賞味期限とは適切な保存方法を守れば、食品の品質が十分に保たれて、おいしくいただける期限です。1997年4月1日から製造年月日表示がなくなり、期限表示となりましたので、私たちが紅茶を買うときにはこの表示をしっかり確認しておかなければなりません。紅茶を購入する場合でも賞味期限はもっとも気になるところです。
缶入りやアルミパックのルースティー(リーフ)、密閉性に優れた個包装のティーバッグの場合、製造日から約3年後に賞味期限が設定され、紙製ティーバッグではもう少し早く、製造日から約2年後に賞味期限が設定されているようです。
紅茶を買う際は賞味期限を必ず確認し、自分がどれくらいの量をどれくらいの期間で消費できるか考えて購入するのが良いかと思います。
私たちは紅茶を買ってもすぐに使用するとは限りません。だからこそ賞味期限まで十分な期間がある紅茶を選びたいですね。
日本紅茶協会では開封後の紅茶は、缶入りリーフでは約3ヶ月、紙製ティーバッグでは約2ヶ月くらいを目途に消費することが望ましいとしています。これらのことも考慮して紅茶を購入する際の参考にしてみてください。
便利なティーバッグ、でも使い方はしっかり考えて
ティーバッグの保存性・密閉性は?
ティーバッグは利便性も優れることから多く使用されています。ただ、賞味期限は未開封の状態でもルースティーに比べおよそ1年も短く、開封後もティーバッグはより早く消費してしまわなければなりません。その最大の理由はティーバッグのほうが茶葉のサイズが細かいために痛みやすいからです。
また、最近はティーバッグが紙製で個包装されているほかに、アルミ製のさらに密閉性に優れたティーバッグも販売されています。密閉性に関してはアルミ製個包装のティーバッグのほうが高く、保存性に優れています。ティーバッグを使うにしても、自分がどれくらい頻繁にその紅茶を使うかによってティーバッグ選びにも関心を払いましょう。紅茶の保存法によっても味や香りに違いが表れますから。
量り売り紅茶の場合
紅茶を買いに行く場合、必ずしも包装済みの紅茶を選ぶとは限りませんね。紅茶専門店などでは紅茶を試飲したり、お店の人とのコミュニケーションの中から紅茶を量り売りで買う場合もあります。気を付けなければならないのは、量り売り紅茶には食品表示の義務がないことです。素敵な紅茶だと思って買って帰ってきたもののすぐに使ってしまわない限り、紅茶の包装に情報がないため、いつまでに使えばよいかわからなくなってしまう可能性があります。紅茶を専門店で量り売りで買う場合は、すぐ使うことを前提に、気に入った紅茶を必要な量を少しずつ買うことをおすすめします。そして、購入した日付などが分かるようにして、できるだけ早めに使いたいものです。
■協力:日本紅茶協会