紅茶と香りについて前回と前々回でご紹介してきました。今回は、全国にある香りのテーマパークの中から、「シトラスパーク瀬戸田」をご紹介します。ここでは紅茶にも馴染み深いベルガモットも栽培されています。ベルガモットの花期は終わりかと思っていたら、最後に咲く白い花も見られました。

写真左下の緑色のテントでは、摘果(てっか)を終えたミカンの実を使ってジュース作り体験をしていました。摘果は実の数をある程度減らし、ひとつひとつの果実に栄養をいきわたらせるために行われます。ミカンと思えないほどすっぱいけれど美味。

国内初のカンキツ公園
シトラスパーク瀬戸田


中央の白い建物がインフォメーションセンター、その右手がシトラスパビリオン。
おだやかな瀬戸内海に浮かぶ島々。本州からしまなみ海道で結ばれる生口島(いくちじま)。島の約3分の1が柑橘畑であり、瀬戸田地区は年間平均気温約15.6℃、降水量1200ミリ前後の温暖で水はけの良い土壌をもつ、柑橘栽培をするには最適な環境。海から反射してくる光も手伝って甘い柑橘が作られています。

島の西方、観音山の南側斜面に位置するシトラスパーク瀬戸田では、世界中の柑橘系フルーツを約600種類も栽培しています。いっぱいの光を浴びて、5月中旬ころ花が咲き始め、花期を終えた8月は大小の青い実をつけます。


シトラスパビリオン。
ブンタンの自然雑種である広島夏ザボンやインドシナ原産である田熊九年母(タクマクネンボ)は大きく黄色の実となり、支える枝によくぶら下がっていられるものだと感心してしまう。
広いパーク内は、シトラスパビリオンや展示温室などの屋内スペースと、日本区、オセアニア区、南北アメリカ区地中海区、アジア区の屋外スペースとでシトラスの栽培がされています。
園内に入って一番近いところにあるのは、シトラスパビリオン。特別展示温室として6つに分類されており、強い酸味と特有の香りをもつレモン・ライム・シトロン・ユズ類、生食としてなじみのあるミカン類など約135種を栽培。


どの樹を見てもレモンにしか見えない。品種名などの書かれたプレートだけが頼り。
屋外で栽培されるカンキツは、瀬戸内海を背景に散策を楽しみつつ観賞出来ます。南北アメリカ区にはフォーチュンマンダリン、ページなど。アジア区にはラングプールライム、四季成りレモンなど。ほとんどは見たことも聞いたことも無いようなカンキツばかりではないでしょうか。

食用に適さないカンキツもたくさん栽培されているのですが、なんとなく味わってみたくなります。日本区には黄金柑(おうごんかん)、安政柑(あんせいかん)なども栽培されており、普段は実の部分しかお目にかかることの無い果実の枝や葉にも興味が沸いてきます。

青い実がたわわに実っている木、細い枝をしならせながら大きな青い実をぶら下げている木、花が咲き終わったばかりで実が出来始めようとしている木。秋が深まり冬の訪れを感じる頃には、瀬戸内海をバックにして緑色の丘に黄緑色、黄色、オレンジ色の実をたくさん輝かせる光景が広がることでしょう。

国内では珍しい。アールグレイの香りを生むベルガモットも栽培


フレーバードティーの代表ともいえるアールグレイ。アールグレイの多くはベルガモットというカンキツで着香されていることは広く知られています。
展示用だとしてもベルガモットが栽培されているのは国内では珍しいケース。

その大ぶりな葉と比べれば小さく白い花。年一度の開花で、これはほとんど最後の花であるといえるでしょう。葉の香りはサワーオレンジと同じ香り。


鉢植えされているからなのか植勢は弱く、あまり実をつけないとのことです。


12月下旬、熟した実が付きます。ベルガモットの本場はイタリア南部のカラブリア地方。