クオリティーシーズンとは、紅茶を生産するのに最も上質のものを作ることが可能な時期のことをいいます。紅茶の旬ということですね。しかし、クオリティーシーズン以外の紅茶がおいしくないという意味ではありません。紅茶がパックされて私たちの手に届くときにはたいていはブレンドされ、味が調えられているのですから。では、クオリティーシーズンの紅茶を楽しむのは、どんな意味があるのでしょうか。

ダージリンのクオリティシーズンを知る

クオリティーシーズンには、ファーストフラッシュ、セカンドフラッシュ、オータムナルと3つの種類があります。それぞれのクオリティーシーズンごとに別々の味を作り出すダージリンを中心に、紅茶のクオリティーシーズンについて探ってみましょう。

ダージリンはインドの北東部にあり、標高約600~2,000メートルを越える高地で紅茶が栽培されています。深い霧、昼夜の寒暖の差、昼間の強い日差しなどの自然条件がダージリンティーを作ることに大きく影響しています。

ファーストフラッシュ
紅茶を入れる前にも茶葉から新鮮な香りが漂うファーストフラッシュ
寒さが和らぎ始める、3月から4月ころに摘まれる春摘み茶です。生産は極少量です。茶葉が若いうちに摘まれるのでカテキン含有量も少ないためにボディの強さといったものは強くはありません。
しかし、爽快さ、キレ味は十分。ファーストフラッシュの出荷は紅茶の季節の始まりを感じさせてくれます。

発酵具合の弱めのものだと、普通に紅茶を入れるお湯の温度より少し低めの90度以下で入れるほうがいいこともあります。この温度についても紅茶を購入するとパッケージなどに書かれているか、販売者の方から説明があるのではないでしょうか。ダージリン紅茶の初物として珍重されていて、ダージリンのファースト・フラッシュを好むかどうか、人によってまちまちです。

セカンドフラッシュ
旨み甘み渋みをすべて備えたセカンドフラッシュ
5月から6月に摘まれる葉から作られます。この頃には日中の気温が上がり、日照時間も長くなっています。味・香り・渋みともにしっかりしており、最も充実したダージリンティーが味わえると多くの人に好まれています。「マスカットフレーバー」と表現されるダージリンティーはセカンドフラッシュからもたらされます。

オータムナル
秋の深みある紅茶に仕上がったダージリンオータムナル
10月から11月に摘まれる葉から作られます。その年の茶摘が終了する前に取れる茶葉から熟成した風味豊かな紅茶がつくられます。マスカットフレーバーは薄くなってしまいますが、代わりに味に深みが期待できます。オータムナルはミルクティーにも合うほどコクがでます。


紅茶は生産地域の風土で異なったものができるので、そのクオリティーシーズンも生産地で異なってきます。代表的なものを挙げておきますので目安にしてください。収穫時期は年ごとに気候によって左右されます。

この記事では、特にダージリンを取り上げました。高級なファーストフラッシュを試すのも良いですが、ダージリンの最もダージリンらしいのはセカンドフラッシュ。

紅茶のクオリティシーズンは、その年の傾向を楽しんだり、季節の到来を味わうもの。紅茶の旬を感じるつもりでお試しください。
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