パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ブーランジュリー&パティスリー カルヴァ

大船にミクニ出身のパン職人とアテスウェイ出身の菓子職人兄弟、彼らと旧知のフレンチ料理人の店が同時にオープン。料理、パン、菓子それぞれの分野で独立した三人のシェフの幸福なコラボレーションに注目です!

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

ブーランジェの兄とパティシエの弟

かつて大船にあった洋菓子店、エミール。 この夏、世代交代で、ブーランジェの兄とパティシエの弟によって ブーランジュリー&パティスリー カルヴァとして新しく生まれ変わりました。

パティシエの田中二朗さん(左)、ブーランジェの田中聡さん(右)

田中聡さんは数年前にビルの建て替えで閉店した「ミクニ マルノウチ」で立ち上げからパンを焼いていた人。弟の二朗さんは「アテスウェイ」の川村英樹シェフのもとから独立した最初の職人です。兄弟の原点ともいえる修業の地、フランスのノルマンディー地方で親しまれているリンゴ酒「カルヴァ」が店の名前となりました。

1Fのお菓子とパンの売り場

3人のオーナーシェフ

1Fはパンとお菓子の売り場とパン工房、 2Fは菓子工房、そして3Fは兄弟と旧知の料理人、葉山ホテル音羽の森で総料理長を務めていた鈴木謙太郎さんが独立し、オープンさせた「シェ・ケンタロウ」。 いつも予約で一杯の、フランス地方料理レストランです。

修行中のご縁でつながり、ともにこのエミールビルで店を開いた3人は、仕事が終わった後に、シェ・ケンタロウのカウンターで、エスプレッソで一息いれたりするそうで、パン屋さんとお菓子屋さんとレストランは共同の経営かと思いきや、それぞれがオーナーシェフとして独立して、心地よいパートナーシップを築いているのでした。

さて、ここでは主にブーランジュリーカルヴァをご紹介していきます。

スタイリッシュなパティスリー・カルヴァのショウケースの上にはフランスの伝統菓子。アップルパイやタルト・タタンなどリンゴにちなんだ焼き菓子も。

パティスリー、レストランとのコラボレーション

シェ・ケンタロウでカルヴァのパンやお菓子が使われているほか、三店の素敵な協力関係はパンにも見ることができます。

たとえばジャムバターサンド。フランス風コッペパンと申しましょうか。パン・ヴィエノワにバターとジャムが挟まれたシンプルな菓子パンですが、ジャムはパティスリーのもの。そしてこの日はたまたま、引退されてはいてもたまに厨房をのぞきに来られるお父さまのイチジクのジャムを使ったサンドもありました。果実味たっぷり、古くて新しいシンプルなサンドイッチです。

パティスリーとのコラボレーション、ジャムバターサンド(160円)

シェ・ケンタロウのレシピで作られた野菜たっぷりのカレー入りのパンは聡さんのイチオシ。まばらについたパン粉がカリカリとして、油っぽさを感じさせない生地にコクのある絶品のカレーが包まれています。他にはパテ・ド・カンパーニュのバゲットペイザンヌサンドなど。レストランの美味が挟まれています。

レストランとのコラボレーション、カレーパン(160円)

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