パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

NYベーグル専門店 B.ricci bagels and more

ベーグルが大好きな姉妹によるニューヨークスタイルのベーグル専門店がウェブ上にオープンしました。大きくもっちり、生地の質感を存分に楽しめる5種類のベーグルは独自の製法でニューヨークの味を再現しています。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

ニューヨークベーグル専門店

この7月、角谷映衣子さん、奈名子さん姉妹によるニューヨークスタイルのベーグル専門店 B.ricci bagels and more(ビー・リッチ ベーグルス アンドモア)のウェブショップがオープンしました。

プレーン、シナモンレーズン、ポピーシード、プンパニッケル、ハニーオートの5種類セットのほか、特に人気のプレーンまたはシナモンレーズンのみの5個入りセットもあります。

Bagel 5(1200円)プレーン、シナモンレーズン、ポピーシード、プンパニッケル、ハニーオートの5種

B.ricci、店名の由来

B.ricci の「B」はBAGELの「B」、BIGの「B」。

1個180gあまりのボリューム感がこの店のベーグルの大きな特徴です。

そしてBeautifulの「B」。

本場のベーグルは多少大雑把で気ままな形をしていますが、B.ricciは現在通販のみなので、届いたときにちゃんとおいしく見えるように、かたちの美しさにもこだわっています。

B.ricci の「ricci」はニューヨークのベーグルショップのスタッフの名前に由来するそうです。さてそこにはどんなストーリーがあるのでしょうか。

B.ricci bagels and moreのベーグル職人、角谷奈名子さん

ニューヨークスタイルのベーグル完成まで

ベーグルを焼いているのは角谷奈名子さん。 パン好きが高じて自分でも作るようになり、LE CORDON BLUE東京校パン課程終了後、数店のさまざまなタイプのベーカリーで製造に携わった後、パンの中では特殊な存在ゆえに開拓の余地がある、と思ったベーグルに焦点を絞り、より本格的に追究するためにアメリカはニューヨークへと旅立ちました。

ニューヨークでは今まで奈名子さんが知っていたものと見た目も味も大きく違うベーグルが待っていました。残念ながら製造の現場に就業することはできなかったものの、見学を許され、製造スタッフからアドバイスをもらうこともできたので、帰国後に粉の配合、発酵、焼き方を何通りか試してオリジナルベーグルを完成。店の運営全般を担当するお姉さんの映衣子さんとともに、この夏、ウェブショップをオープンしたのです。

プレーン

小麦粉はカナダ産100%、酵母は「ホシノ天然酵母」。なぜ市販の酵母を使用しているのか伺うと、そこにはオリジナルベーグル完成までの過程がありました。

最初は本場に倣いイーストで発酵させたのですが、見た目のボリュームは出たものの、食感を本場のベーグルに近づけることができなかった、と奈名子さんはいいます。次にレーズンその他いろいろな果実で種を起こしてみると、今度はボリューム感に欠け、固くなりがちだった。ニューヨークで感動した生地の質感を追求し、試作を重ねた結果、もっちり感と甘味がほどよく出せるホシノ天然酵母種を使用することに。ホシノ天然酵母のパンにありがちな麹のような香りは、このベーグルでは素材の配合によってわからなくなっています。

B.ricci bagels and moreのベーグルの魅力

試行錯誤の末に完成したニューヨークスタイルのベーグル。第一印象はその重量とボリューム感でした。ハリがあるけれど薄いクラストの中にぎゅうっと詰まった生地の質感は本場さながら。シナモンレーズンをはじめ、バリエーションベーグルの副素材はどれも控えめで、生地じたいの味をとことん楽しませてくれるベーグルたちです。

シナモンレーズン

角谷さんのおすすめはクリームチーズとあわせる食べ方。ホイップして絹ごし豆腐と混ぜ、クレソンやディルなどを加えるなど、クリームチーズをベースにあれこれ作って楽しむそうです。

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