バゲットとその仲間
「フランスで食べたパンが忘れられないのです。その香り、口に入れると溶けてしまう感じ、塩味が強いかも?と思うと甘くなり、皮の香りが最後まで残る感じが」と大和さんは言います。それが彼女の目指すバゲットです。フランス産小麦をブレンドして香りよく焼き上げたバゲットは、一晩発酵をとります。パリっとしたクラストにナイフを入れれば、半透明の気泡がある美しい生地が現れます。同じ素材でつくるバタールは、発酵時間が6時間とバゲットに比べ短くなるのですが、やはりクラストの香ばしさとモチっとした食感があって、フランスパン好きにはたまらないことでしょう。
他には、ひまわりの種やアマニなどの入った「3グレイン」やドライクランベリー、ジュエリーレーズン、オレンジピール入りの「フリュイ」(各280円)もあります。朝のうちに売切れてしまうことも多いので、そのときはプチサイズで楽しみましょう。
プリっとした歯ごたえの、本物の腸詰めを焼きこんだ「ウィンナー」はフランスパンの生地と好相性。やみつきになってしまいます。サンドイッチは自家製マヨネーズを使用するなど本格派です。パヴェという無成形のフランスパンにスモークチキンやオリーブを挟んだものなど、おすすめです。
ウィンナー(240円) |
メロンパン誕生秘話
ショウケースを覗くとき、初めての人なら微笑まずにはいられない「カスタメロン」は自家製カスタードクリーム入りのメロンパン。「パン職人ならわかってしまうと思うんですけれど」と前置きして、大和さんはこのパンの生まれについて聞かせてくれました。パン生地にかぶせたクッキー生地がズルっとずれて失敗してしまったとき、そこに真さんが顔を描いてくれたのが始まりなのだとか。だから今でもチョコレートで顔を描くのは真さんの担当です。そして「ズレ具合」の角度はパン職人の祥子さんによって確定されました。かくして「カスタメロン」はこの店の人気商品のひとつになったのです。バニラビーンズの入った上質なカスタードもおいしいメロンパンです。
カスタメロン(150円) |
食パン、ヴィエノワズリ、ピザ
ガイドが個人的に好きなミニサイズの角食がこの店にはあります。「チビKAKU」は厚切りトーストにして朝食に2枚ほど、いただきたいパンです。ヴィエノワズリはフランス産のチョコレートを使用したパン・オ・ショコラなどスタンダードなものから、イチジクなど季節の味もあります。お昼時に焼きあがるピザは1枚200円。ランチにするお客さんも多いようです。
ピザ(一切れ200円) | 作業着のTシャツにもバゲット君が。 |
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