パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

日本風にアレンジすることのないパン メゾンカイザー(3ページ目)

古き良き時代の製法を最新の機械技術で実現させ、フランスの味をそのまま上陸させたエリックカイザー氏のパンの紹介と、ブーランジェリーエリックカイザージャポン木村社長インタビュー。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

木村氏のご実家は銀座の老舗、あんパンで有名な木村屋總本店
です。 パンと関係のないビジネスマンだった彼はある時退職し渡米、American Institute of Baking、 NYのベーカリーを経て渡仏。
そこでエリックカイザー氏と出会います。 その関連でイスラエルのベーカリーへも勤めて多くの経験を積んで帰国されました。


パンオランジュ

今手を結んで素晴らしいパン文化を伝えているカイザー氏と木村氏。 代々パンに携わる家柄に生まれ、その道を運命づけられていたお二人には 似たところがあるのかもしれません。

●現在は日本で、アレンジされていないパリの味を紹介されていらっしゃるわけですが 他の国の要素(たとえば日本の味、またはニューヨークやイスラエルで出会われたであろう 多国籍な味)を、パンの開発や店舗で取り入れたいと思われたことはありますか。

当店はカイザーとのジョイントですので、カイザーの味を出すことに全力を尽くします。 NY、イスラエルその他のスタイルはチャンスがあればまた別にやりたいですね。

●これからの計画についてなにか教えていただけますか。

パンから見た食卓の提案等もやりたいです。



日本のパンは和菓子風な菓子パンや食パンから始まりました。 そして外国から様々なパンが上陸し、商業市場へ向けての多様なアレンジが施されます。 それは日本人の口に合い、美味しいこともあるかもしれないけれど本場の味とは違ってきます。
提携したフランスのパン屋さんの名前を掲げていても、製法が違ったり、 日本ならではのあんパンやメロンパンも並ばざるをえなかったり。
でも、2002年の日本の市場にパンは溢れています。 「日本人の口」も多様化して一概に決めつけられない時代になりました。
そこに本場の味を守り抜くベーカリーの登場です。フランスのパン、食事パンを望む人々が 喜んだことは言うまでもないでしょう。

わたしが注目していることはもうひとつあります。 最新の技術をもって古き良き時代の製法を実現するということ。 科学の進歩、日本のパンの新しい時代を感じました。


メゾンカイザー 高輪店

東京都港区高輪1-4-21   TEL 03-5420-9683
8:00~20:00 無休
現在他に先月オープンした松屋銀座店、渋谷西武店、
田園調布店(ライセンス契約をしたサンジェルマンによる) があります。

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