パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

シェフの思考を主張する比類なき美味 パティスリーペルティエ(3ページ目)

ペルティエ赤坂店のオリジナルのパンは製法も素材も個性的。シェフブーランジェの志賀氏にそのパンの創造される過程、職人としての今までとこれからについてインタビューしました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

パン職人の間でも憧れの存在である志賀さんですが、一方で 店の片隅に立ち、お客さんに挨拶をしたり、自らパンを並べたりレジを打ったりもする 姿も時々見られます。
志賀さんがパン職人の道に入られたきっかけは何だったのでしょう。
それは予備校時代の通学路にあったパン屋さんでした。 いつも焼きたてのフランスパンを、大きい割に結構安い、と思って買っていたことが 就職先をパン屋さんにするきっかけとなったのだそうです。 それはとても魅力的なパンだったに違いありませんね。


志賀さんはこうして街のパン屋で8年、アートコーヒーで11年頑張ります。 アートコーヒーの後半では品質管理の部署にいて商品開発に携わり その頃から自分オリジナルの試作を始め、試行錯誤しながらも、次に移った代官山のアルトファゴスでは 独自のパンを実現していきました。

そして2000年からペルティエ赤坂店シェフブーランジェに就任。
「今はやっと、実際に作ってみなくてもルセットが自然に出てくるようになりました。」
長い間にはハードな日々もあったことでしょう、 でも淡々と穏やかにインタビューに答えてくださる様子からは 辛さや疲労は全く感じられないのでした。
そう、「たまの休日は子供と遊ぶ普通のお父さんです。」とおっしゃる志賀さんは、 「普段はごはん好き」なんてとても普通なところと、カリズマティックなシェフブーランジェの顔を併せ持った 幸せな天職に巡り合った方なのでした。

志賀さんの夢をお聞きしました。
「パリのペルティエでバゲットなど食事パンを出したいですね。 一軒ずつ店によって味の違うパリでは、酵母もイースト、全粒粉から起こした酵母などいろいろで、 どこも職人の考え方を主張している味を持っています。 その中で自分のバゲットを認められたいです。パリの味としてライバルと思ってもらえるような、 フランスの食通やMOF(フランス最優秀職人)をうならせる味のパンを焼いてみたいですね。」

赤坂では現在70種類ほどのパンの内、食事パンとヴィエノワズリーは 数も売上もほぼ半々ですが、パリでは食事パンは置いていません。
パティシエがヴィエノワズリーを作るフランスのスタイルです。

いつか、パリのペルティエにあのバゲットが並ぶことを想像してみます。 「志賀と言う日本のシェフが素晴らしいバゲットを焼いている。」
そんな噂が広がっているところ。 そんな素晴らしい夢も、夢でなくなる日はそう遠くないかもしれません。


ペルティエ赤坂店


東京都港区赤坂3-1-6 
ベルビー赤坂1F
電話 03(3588)5023

10:00~20:30
無休

来る3月22日に銀座三越にペルティエ銀座店がOPEN。 数は少ないけれど銀座でもまた志賀テイストが味わえることになりそうです。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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