ラーメン/東京のラーメン

駅近くながらホッとできる隠れ家的な昭和の空間。 二三太楼(東京・上野御徒町)(2ページ目)

本物の「昭和の空間」がこんなに駅近くにあった。江戸風情が息づいた店でゆっくり味わう昔ながらのラーメン。

大崎 裕史

執筆者:大崎 裕史

ラーメンガイド

▲基本メニューのラーメンここのラーメンはまさに「昔ながらの中華そば」である。おそらく創業当時の味を頑なに守っているのだろう。スープはシンプルな醤油味。具は噛み締めるタイプのチャーシュー1枚、細めの柔らかいメンマ数本、刻み葱。見た目もいたって普通。麺は細めの縮れ麺で茹で加減がいいのか、程良いコシがあっていい感じに仕上がった麺だ。いわゆる昔風中華そばが苦手な人にはお薦めしない。具がのったラーメン(例えばもやしそばや広東麺)もたまには食べる、という人ならここのもやしそばなどがいいのではないだろうか。


▲ランチセットの半チャーハン▲ランチセットのメニュー何度も言うように“今風”の店ではない。ラーメンの味もインパクトや個性が際だっているわけではない。しかし、だからといって「他の中華料理店で食べても一緒」という味ではない。だからこそ、こうして紹介している訳なのである。男性にはラーメンのみでは物足りないであろうから、ランチタイムのセットをお薦めしたい。シューマイや中華丼とのセットもあるが、一番人気はラーチャン(ラーメンと半チャーハンのセット)である。このチャーハンの味付けはやや濃いめであっさり目のラーメンと良く合う。時間の流れが遅く感じられる空間でランチセットを食べれば、午後の仕事にも気合いが入るというものだ。

会計時に女将さんらしき人に店名について聞いてみた。「どうなんでしょうねぇ?随分昔の話だから私もわからないわ」とはぐらかされそうになった時、昼間から飲んでいた常連さんらしき人からこんな話が聞けた。「ここはねぇ、昔は芸者置屋だったの。それでねぇ、ここのおばあちゃんの若い時の名前が「二三太郎」だったんだな。人気があったらしいぞぉ。で、一文字変えて「二三太楼」として店を始めたわけだ。」

こんな話を頭に置きながら食べるとまた味わいも違うかもしれない。

【DATA】店名:二三太楼(ふみたろう)最寄駅: 御徒町  住所: 台東区上野2-3-7(春日通りを湯島方面へ、大きなパチンコ店を右へ。二つ目の路地を左。)  TEL: 03-3831-2715 営業時間: 11:30-14:00、17:30-21:00、土曜は12-14、17:30-20  休日: 日曜 メニュー: ラーメン600 もやしそば750 広東めん750 野菜そば700円、やわらかいやきそば850 ちゃしゅうめん850 他、ご飯物多数
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■麺道楽が集う店・第一弾「光江」
■麺道楽が集う店・第二弾「きむら家」
■麺道楽が集う店・第三弾「一力」
■麺道楽が集う店・第五弾「松島」
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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