ラーメン/東京のラーメン

のどかな谷中に40年。餃子も旨い! 一力(東京・日暮里)

とても山手線から歩いて5分程度のところにあるとは思えない。都会の喧噪を離れた感じの谷中にある中華料理店。昔ながらの味だが奥深さもある。

大崎 裕史

執筆者:大崎 裕史

ラーメンガイド


まずはこの景色を見て欲しい。この緑に溢れた通りは駅前の景色である。しかも山手線の駅前と聞いたら驚くのではないだろうか?紛れもなく山手線の駅を出て目の前に開ける景色を撮ったものである。
これは日暮里駅北口を左に出た風景そのものだ。営業職をやっていると山手線の使用頻度はかなり高く、使わない駅はない。もちろん日暮里駅も何度も使用している。しかし、こちら側に降りることは滅多になかった。こんな風景が山手線沿線で見られるとは・・・。



駅を出ると目の前には御殿坂というなだらかな坂がある。そこをゆっくりと登っていき、左右を眺めてみよう。どこかに旅行にでも来たかのような、あるいはタイムマシンにでも乗ったかのような思いになる。
しばらくして下るとその先に『谷中銀座商店街』がある。この町並みもまた面白いのだがそれは食後の運動を兼ねて行ってみよう。そこに行く前に路地を左に曲がるとすぐ左手に今回紹介する「一力」がある。


外観を見ての通り、町の中華料理屋さんだ。どこの町にでもこのような外観の中華料理店は1軒はある。そんな普通の店構えである。創業40年になるのでやや古ぼけた感じ。普通に食べ歩きをしているなら、おそらく入らない店であろう。前に紹介した「光江」も同じような店だったがその味わいは、普通の中華料理店とはひと味違ったモノを持っていた。ここもそう。しかもラーメン1杯500円と値段まで昔のまま。店内に入るとやや雑然とした感じでカウンター5席、テーブル2卓8席とこぢんまりとしている。お歳を召したご夫婦で切り盛りしており、そんなに沢山の人に来てもらっても逆に困るであろうという店なのだ。


■一力の「ラーメン」■



ラーメンは見るからに懐かしい感じのする中華そば。具はチャーシュー、メンマ、ナルト、ほうれん草と500円の割には、しっかりしている。スープは透明感のあるすっきりとしたもので鶏ガラベース、豚も使ってそう。麺は細目のほぼストレートで少し柔らかめ。麺を啜っていると時空間が止まった感じさえする味わいだ。新店を追いかける食べ歩きも楽しいが仕事に疲れてホッとしたい時、癒されたい時に足を運んでみてはいかがだろうか?
なお、ここではぜひ餃子も食べて欲しい。もっちもちの手作りの厚い皮とこれまた手をかけたジューシーな餡がおいしい。餃子の特集などで何度も紹介されている実力店なのだ。


【DATA】店名:中華料理 一力( いちりき) 最寄駅: 日暮里  住所: 台東区谷中7-18-13(西口から御殿坂を進み、谷中銀座よりも前の路地を左に入るとすぐ左)  TEL: 03-3821-2344 営業時間: 12:00-14:00、17:00-20:00  休日: 月曜 メニュー: ラーメン500 味噌ラーメン650 タンメン650 モヤシソバ650 カレー入りタンメン750 一力ラーメン650
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■麺道楽が集う店・第一弾「光江」
■麺道楽が集う店・第二弾「きむら家」
■麺道楽が集う店・第四弾「二三太楼」
■麺道楽が集う店・第五弾「松島」
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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