軽井沢
激暑の東京から身近な避暑地、軽井沢へ出掛けてみたが今年の夏は標高1000m程度では効き目がないらしい。昼は東京よりもやや涼しいくらいだが、少し歩くと汗だくになるのは全国何処も同じということか。夕暮れ前から小路にはキャンドルが並ぶ |
ほぼ一年ぶりの軽井沢、そしてノーワンズ・レシピ。総料理長の浜田統之氏のもと世界的料理コンテスト「ボキューズ・ドール」日本代表に選ばれた中州達郎シェフが腕を振るうレストランだ。長野県の素材をアイデア溢れる見せ方には料理人としての正確な仕事ぶりがしっかりと植え込まれ、飽きのこない楽しさを表現。
夏本番の軽井沢にあって様々なイベントが行われているが、ここは料理とワインに集中すべくひたすら汗をかいて涼しくなるであろう夜を待つ。
おつまみと小菓子が3段に重ねられて運ばれる |
コテージからレストランまでのアプローチはこと季節、数千個のキャンドルが森や庭を埋め尽くす幻想的な風景が作られる。多くのゲストがいるはずなのに、なぜか静かなブレストンコートの緑の庭。木々や土、そして高い空が吸い取ってしまうのだろうか。
樹々にもところどころキャンドルが飾られる |
この季節、テラス席から埋まるのはフランスも日本も同じようだ。ゆるやかな夜風と共に多少は涼しい高原の夜。まずはシャンパーニュ・アンリオからのスタートだ。アンリオはシャルドネ比率が高く、すっきりとした喉越しが特徴。ランスにあるメゾンは小さな庭から入る階段から潜り込む、ひんやりとした、そして長く張り巡らされたセラーを見学したことを昨日のことのように思い出す。
レンズ豆に植えつけられるようにして運ばれるパルミジャーノのチップスは音の出る小さなアミューズ。そして、ヨーグルトの風味が仕込まれた小さな膨らみが運ばれる。口の中でぷるっと弾ける中からはミルキーで心地良い酸味が拡がり、小さなサプライズが頬を緩める。
見た目の美しさが食欲をそそる |
鶏のジュレに乗るキャビアはシャンパーニュと共に静かに喉を伝う。桜肉の上には小さく固められた卵の黄身と白身が小さく載せられ、緑が映えるルッコラのソースと共に視覚から食欲を刺激。しかしこれはまだまだ美食の序奏曲に過ぎない。