この料理でコース全体の印象が格段に上がる |
閉じ込められた鴨とフォアグラ
フォアグラとシャラン産鴨のコンフィのクリュスタード仕立て。これにはマスタードのソースを添えられる。薄い皮で包まれた中に閉じ込められたのはフレッシュなフォアグラと鴨のコンフィ。カリッと揚げられた薄皮の中には想像以上に凝縮感のある「味」が仕込まれている。官能的と言ったらいいのか、その「味」に神経は過敏になり、驚きと興奮に包まれる。しかし、実に物足りないと思えるほど、一瞬で消えて昇華されていく。次の機会には1本ではなく3本とリクエストしてみたい。この料理のインパクトはかなり強いのでぜひお薦めしたい一品だ。
ミネラル感のあるシャルドネと合わせてみたい |
そしてメインディッシュは羊のローストにソースはバジル風味のもの。ペッパーの効きも心地よく、バジルといっても軽い風味程度にまとめられている。基本は羊のジュを煮詰めたもので味わいを引き締める、輪郭をはっきりと描いた料理となっている。
最後は羊のがっつりとしたボリュームで締め括られる |
いや、我ながらよく食べた。しかし、ロドラントのモダンなフランス料理はメインこそクラシックな味わいながら、全体を通しているのは調和。もちろん満腹にはなったが、お腹がもたれることはない。
スフレはまさにレストランで楽しむデザートの一つ |
私たちが食事をした日は実に居心地のいい空気がふわふわと流れていたのだが、季節が変わり、時間を刻んでいくとどのように変化していくのか非常に楽しみだ。
日本のフランス料理の高い水準を世界に知らしめるには恰好の場所である銀座。今日の料理を感想を一言で述べるとしたら、ロドラントもゆっくりと時間をかけて名店の仲間入りを果たしていく片鱗を感じた料理、そして空間であったと思う。時を急ぐことなくゆっくりと歩いていってほしいレストランであって欲しい。
■ロドラント
東京都中央区銀座7-7-19 ニューセンタービルB1
03-5537-7635
東京メトロ銀座駅A2出口より徒歩5分程度
JR新橋駅銀座口より徒歩5分程度
地図
12:00~14:00(LO)
18:00~21:00(LO)
日休
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