香りも楽しめるシャンパーニュだ |
アミューズに心躍らせ
螺旋階段を上り、メインダイニングへ。このアプローチはロオジエならではというより銀座そのものではないか。気品あるワクワク感。大人になって感じるホンモノに出会ったときの喜び。そんな優雅で、晴れやかな気持ちになるロオジエのインテリアは相変わらず、モダンなもの。シャンパーニュはジェローム・プレヴォー。「渋いじゃん」。個人的に好きな生産者だけに少し嬉しい。フレッシュというより、しっかり系。ちょっとひとひねりある味わいは曲線美が見事なロブマイヤーの中で穏やかな泡立ちを醸し出す。
覚醒するアミューズとはこのことか |
次は小さなフォアグラと間に挟まれたウナギ。上に乗るのは海苔。3つの味わいがはじけて、そして交じり合う。
3つ目はキュウリのジュレ仕立て。カリッとしたキュウリの歯応えとハーブの味わいに先ほどのフォアグラの味わいがすーっとかき消されていく。
最後はトマトのクーリをパプリカのジュレで包み込んで固めたもの。プチッと口の中にはじけてとろりと流れ出す。うぅ、たまらない。
泡立つシャンパーニュはそれぞれの小さな料理の隙間を埋めるべく、注がれるままに飲み干していく自分がいる。昼間のシャンパーニュはことのほか気持ちがいい。
心地よい後味をシャンパーニュで流す |
オゼイユの持つ、きりっとした酸味とハーブの味わいに中にしっとりと溶け込むふわりとしたフォアグラの味わい。舌触りは滑らかで、口の中での広がりは例えようもない。気がつくとガラスの器はからっぽだ。ふくよかさを増すジェローム・プレヴォーが清らかな流れのごとく味わいに余韻を残す。
隠された醤油の風味に驚きを隠せない |
添えられたワインはアルゼンチンのもの。ゲヴェルツのような甘い味わいが五感を包み込み、醤油の味わいをきれいに消し去り、同時にほのかなフレッシュさを記憶に刻む。これにも参った。