フレンチ/東京のレストラン

快楽的肉料理の世界へ(マルカッサン)(3ページ目)

銀座一丁目に開店したマルカッサン。肉料理にかけては天下一品、秋山シェフの腕が唸るのなんの、食べる側にがっつんと迫る料理の世界が広がります。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

フランス料理
写真以上に迫力ある豚のグリエ

鳩一匹丸ごと

肉は『骨付きポークのグリエ(2520円)』と『山形産オーガニック仔鳩のロースト(3990円)』を。

小さなフライパンに乗った肉厚のポーク。ほのかなピンク色の焼色を恥ずかしげに隠しながら、マスタードの風味を携えてフォークが刺さる瞬間を待っている。ぎゅっと歯が食い込む瞬間に一人笑いが込み上げる。パクパクぱくぱくと食は進み、気がつくとフライパンはからっぽ。そしてワインを飲んでる間に次の肉料理の到着だ。

フランス料理
仔鳩すべてがこの中に
『超希少山形産オーガニック仔鳩一羽のロースト』。頭から足まで丸ごと一羽ローストされた仔鳩は静かに鍋の中で眠っている。瞬間窒息された身からは心臓、肝臓、そしてピュアなソースが生まれ、それらが決して無駄にされることなく料理として盛られている。

頭から足の先まですべて食べなくては申し訳が立たない。私はブルゴーニュの、比較的軽めだが余韻の長いワインと共に自然の恵みを身体ごと受け止めてしまっていた。

優しさに包まれた滋味深い味わいというべきか、その仔鳩は強く印象に残る料理のひとつになった。
 
店内は細長く、奥に小さなカウンターがある。ここはお一人様か、カップル向けの席だろうか。ダイニングは気張らずに楽しめそうな小さな空間。

フランス料理
産地や生産者が明記されたわかりやすい、そして誠実なメニュー
マダムの川浪氏はワインのスペシャリスト。ふわっとした独特の雰囲気にファンも多いようだ。テキパキテキパキというタイプではなく、楽しんでいるゲストのそばにいつも静かに佇んでいるような自然な方。そんなマダムが選んだ自然派のワインは値段も手ごろで種類も豊富だ。選ぶのも楽しいが、選んでもらうほうがもっと面白いかも知れない。

とにかく秋山シェフの肉料理、それを包むワイン。それ以外何も足さずに、何も引かずに楽しみたい。

『肉』を食べたい!と思ったらいつでも思い出したいマルカッサン。やっと涼しくなるこれからの季節はさらに楽しみでもある。

マルカッサン 
東京都中央区銀座1-22-11銀座大竹ビル1F
TEL 03-3564-0335
営業時間 18:00~23:00(L.0)平日のみランチあり。
日曜休

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