フレンチ/東京のレストラン

【閉店】オ・デリス・ド・本郷

1Fがカフェ&ブラッスリー、2Fがレストラン、3Fがテラス席&シェフズテーブルというユニークなレストラン。この写真もちょっとパリっぽくないですか?

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

このガイド記事ではフレンチレストランの紹介やその周辺にまつわる話がほとんどなのですが、特にレストランの紹介は自腹を基本に「かなり気に入ったところ」をご紹介しているつもりです。しかし料理がたまたまそのときに大きく外してしまって、ご紹介するのはちょっとどうかなあ、と思っているところでも「特徴がはっきりしている」とか「サービスは今一だったけど料理は抜群に旨かった」ですとか、その他に何かエピソードがあれば、どんどん書くことに軸を変えました。となると結構これが気が楽で、何か縛りが取れたような気がするのですね。

さて、今回ご紹介するのも料理では外したけど、その存在自体がとってもフランスチックなレストラン、オ・デリス・ド・本郷です。

3階建てのフレンチ!!

21世紀を迎えた頃、一年ほど文京区は本郷で仕事をしていた時期がある。本郷三丁目の交差点付近は賑わいはあるもののごちゃごちゃした印象で、特に食べるところというと、さあ、困った、路地裏に旨い定食屋があったな、という程度の記憶しかない。特に洋食系が少なかったように記憶している。ただ文京区という広い範囲で捉えてみると西片のル・リス・ダン・ラ・バレ(谷間の百合)や千石のラ・ベルドジュールなど安定した評判を保つ品格あるレストランも多い。

本郷
駅のすぐ近くなので待ち合わせにも便利
大江戸線の駅もできて交通の便が格段に良くなった本郷三丁目近辺であるが、2003年になってやっとハイブリッドなレストランができた。オ・デリス・ド・本郷だ。

まず丸の内線は本郷三丁目駅のすぐ近くなので迷うことはまずないだろう。1階はカウンターバーとカフェ&ブラッスリーになっている。「おっかっこいいじゃんか」というのが最初の印象。ビールの種類など飲物もそこそこ揃っており、名ばかりのブラッスリーとは明らかに異なる。平日は朝7時半からの営業で年中無休だ。2階は個室スペースを備えたレストラン、3階はテラス席と厨房を前にしたいわゆる「シェフズテーブル」だ。建物全部が使い勝手のいいレストランスペース集合体になっている。それも駅のすぐ近くで。このようなスタイルはフランスをはじめとする欧米では珍しくはないのだが、東京では非常に少なく銀座のオザミ・デ・ヴァン、下北沢のトロカデロぐらいだろうか。
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