さて、今年の大規模なイベントとして、6月1日にフランス大使館において「シャンパーニュの多彩な個性を楽しむ会」が開催された。始まる前からモンフェラン大使がゲストを迎え、マダムはテーブルセッティングを担当するというアットホームなパーティーだ。

シャンパーニュの裾野を広げるために雑誌編集者や業界関係者、シャンパーニュの愛好家(半端ではない愛好家を意味する)が集うものだが、根底にはシャンパーニュの楽しさや素晴らしさをしっかりと伝えてくれる、まさに草の根の活動だ。輸入量はぐんぐん伸びてはいるが、まだまだハレのワインの域を抜けてはいないだけに、代表の川村玲子さんをはじめとする協会スタッフの地道な啓蒙活動には頭が下がる。

ということもあり、これは単なる飲み食いパーティーではない。
日本に輸入されている膨大な数のシャンパーニュのうち83本が並ぶ姿はまさに圧巻だ。エスプリ・ボディ・魂・ハート4つのカテゴリーに分かれて配置され、サービスにあたるソムリエも総勢10人以上に上る。立ち上るシャンパーニュの煌びやかな香りは言葉で表現するのはとてもとてもムリというもの。


迎え撃つ料理は、銀座は寿司幸の杉山衛氏と乃木坂はレストランFeuの下村浩司氏のコラボレーションが繰り出す寿司とフレンチピンチョスの華麗なるマリアージュだ。
僭越ながら98年より日本事務局のお手伝いをさせていただいている関係で、杉山氏が握っているすぐ横に立ち、握りたてをすぐさまいただける特権付。ほどよいシャリの酸味とそれを邪魔しないNVのバランスのよいシャンパーニュの取り合わせは、言葉にできない至福のひとときだ。杉山氏は「デリケートな寿司にはビンテージものやあんまり個性がつよいものは、お互い邪魔しちゃうんだよね」の一言にも納得納得。

ゲストは料理雑誌に度々登場する著名人や芸術家、学者、芸能関係者、レストラン経営者、雑誌編集者、ライターなど。受付事務などボランティアでお手伝いいただくのはアニヴェルセル表参道で定期的に開催されていたシャンパーニュアカデミーの卒業生や受講生の皆さん。日本で最も有名なソムリエの一人である渋谷康弘氏は開講当時からかかわりを持つ、いわばシャンパーニュを広めるための、まさにシャンパーニュアンバサダーか。

83種ものシャンパーニュをすべてテースティングするのは現実的には不可能で、4つのカテゴリーから3~5種味わうのが精一杯なところだろう。撮影の仕事も兼ねていたのでそう酔うわけにもいかないのが残念といえば残念。

ところが後半はそんなことも忘れ去る料理が登場することになる。