恵比寿はよく出掛ける街で、これまでも何件かレストランを取り上げてきた。フレンチに限らずイタリアンや和食の名店も路地裏にひっそり佇む。地方から東京進出を図ったレストランも最近は話題だ。そんな食いしん坊には非常にありがたい街だ。
恵比寿に行ったときなどガラス越しに中を覗くといつも満席。そう、いつも大賑わいの大繁盛店なのだ。ホームページも非常にわかりやすく定番メニューはすべて掲載されている。お店の常連の方との合作だそうだ。
2004年最初にご紹介するそのレストランは私の大好きな「月夕堂」。 これで「げっせきどう」と読む。居心地のいい空間を意味する花朝月夕という言葉から引用したようだ。うん、とてもいい響き。月の満ち欠けによって生活のリズムを整える私としては、満月の日など限りなく食べられそうと思ってしまう。
この小さなレストランとの出会いはもう2年前くらいになろうか、近くを通りかかった時にショップカードをもらおうと思ってドアを開けると、閉店後の掃除をするシェフの姿が。聞くと廣瀬龍一シェフ一人でやっているとのこと!そう、料理もサービスもすべて!
16席ほどの店内は満席にも関わらずシェフが一人でメニューを紹介し、オーダーを取り、ワインを開けて注いで、料理を運ぶ。要はカウンター主体のレストランではないに店の人はシェフ一人。特に何かが滞ることはない。驚くべきはその風景は日常のように感じられるほどの自然さか。
小さなレストランゆえ、ゆったり感はないし、席と席も狭い。だってビストロだからね、ここは。そう日常的なフランス食堂。お腹が空いたら、はい、豚のソテー!飲みたくなったからブルゴーニュルージュ!とか思い浮かべて、空いていればすぐに行ける店。
メニューもワインリストも楽しいもの。イラストなども混じっており、ゲストに対する愛情と細やかな気遣いが感じられる。また、一人で作っている割にはメニューが多いと感じるが、仕込みを丁寧にしておけばこなせる料理がところ狭しと並ぶ。
さてその料理を堪能しよう!