フレンチ/東京のレストラン

シェフに訊く!第1回ミラヴィル(3ページ目)

渋谷は松見坂の今をときめくフレンチ、ミラヴィルの都志見シェフ。ちょっと恐そうみ見えるその素顔に隠されたものとは!?

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

■「まかない」とかはどのようなものを?
日本人ですから和食が多いですよ。最近だとメンチカツとかカツレツとか。別に贅沢をするわけでもなく、ごく普通のまかない飯です。そうそう、京都が好きでよく食べ歩きに出かけたりします。ぜひこちらもごらんになってみてください。

■お魚類は広島から直送と聞きましたが。
はい、広島は三原港から2日に一度送ってもらっています。開店前に当然ながらいくつかの魚卸を比較検討し、いい素材を安定して供給してくれそうなところを選びました。瀬戸内海の魚は小骨が多く、骨抜きが結構大変なんですよね。魚はメニューに載っていないものもあります。

牛肉は比婆牛を広島から仕入れています。松坂や米沢より希少価値が高く味わい深いことは以外に知られていないんですよ。最近のでは「広島和牛のポワレ、旬の山菜のベニエ添え」としてメニューに載せています。

ガイド注:比婆牛は、広島県北部の中国山地で主に生産されている。穏やかな気候や風土に恵まれ、ゆるやかな山肌の続くこの地域は、古くからの和牛の産地として有名。その味は、深い「コク」と豊かな風味が加わった比婆牛独特のもの。

■料理について何か哲学はお持ちですか?
私の料理に対する哲学というか、いつも考えていることがあります。それは「料理とは気が利いたものでなくてはいけない」ということです。お茶漬けにはあられがはいっていることで食感が楽しめるといったように、些細なことに工夫した料理を創りたいと思っているんです。考えて考えて、工夫することはとても大事なことです。冒頭でも述べた素材と素材の組み合わせについても、気を利かせることで、いろんな発見が生まれます。これはものすごく大事なことだと僕は思うんです。

■お忙しいところご協力いただきありがとうございました。

編集後記
学生へのインタビューはそれこそ数え切れないほど行ってきた私だが、シェフへのインタビューとなるとさすがに話が違う。事前に伺いたい内容をメールで伝えていたのだが、一つの質問に対する答えは、とにかく奥が深い。1時間程度過ぎたところで話をまとめようとする私に「嶋さん、僕の料理の哲学についてお話したいんです。」と。
真摯な姿勢で決してお客様にも媚びることのない、信頼できるかたであることがわかった。
気を利かせることがとても重要なのは、さまざまな仕事をしていく上でも必要であることが、シェフの言葉から再認識した次第。
ちなみにホームページにもあるように絵を描く趣味も持っている。

ミラヴィル
東京都目黒区駒場1-16-9 片桐ビル1F
03(5738)0418
11:30~15:00/18:00~23:00/水休
 
コース構成
(夜):5000円、7000円(税込サ10%別)
(昼):2500円、3900円(税込サ5%別)
場所:井の頭線駒場東大前駅から歩くと約6,7分だが、便利なのは渋谷駅南口ロータリーから「若林折り返し所」行き東急バス(本数はとても多い)に乗り、松見坂下下車。バス停から道路をはさんでちょうど反対側。 タクシーでも1メータである。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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