東京ドームホテルというと巨人戦を見に来た団体や遊園地帰りの観光客が泊まるホテルだと勝手に決めつけていた。ところが実際には世界各国からのビジネスマンやツーリストもかなり多く、ホテルの雰囲気もそれに合わせるようにシンプルで機能的な作りになっていることに驚かされる。周りに高層階の建物がなく、最上階からの眺めはほんとうに素晴らしいの一言だ。眼下には東京ドームのネオンが煌き、わざわざウォーターフロントに行かなくても存分に夜景が楽しめる。
そんな東京ドームホテルの中にこじんまりとした素晴らしいレストランを見つけた。その名は
「ドゥ・ミル」。ハイセンスなリビングルームといった雰囲気を感じさせるレストランだ。
![](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/800/auto/aa/gm/article/2/1/6/2/3/8/ent1.jpeg)
エレベータを6Fで降りると、レストランまでまっすぐに伸びる廊下がある。ここからレストランで過ごす時間が始まっているといっていい。エントランスにはお勧めのシャンパーニュやワインのボトルがセンス良く飾られている。考えてみるとエントランスはとても重要だ。そこで過ごす楽しい時間に期待を膨らませる役割を持っているのだから。
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ちょうど開店2周年ということで特別メニューが用意されていたその夜は、熟年のご夫婦、若いカップル、中年の女性グループといった方々でほぼ満席であった。でも何故か混雑しているという様子にならないのは席と席の間隔が比較的ゆったりとしているからなのか。
料理は一言で表現すると綺麗な料理である。鮮魚のタルタルを帆立貝ではさんだラビオリは組合せが難しいトマトとキャビアの味わいを完璧に引き出して組み合わせた感動の一皿だと言える。
輪郭のはっきりとしたボリューム溢れる料理ではないが、繊細で女性的な料理が並ぶ。そう、これはこのレストランの料理の持ち味なのだ。不特定多数の方々が集うホテルならではの特性があるためか、冒険をするということはむつかしい、いや、すべきではないのかも知れない。ただし、その中で十分すぎるアイデアや創造性が醸し出されている。
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サービスもとても優しいもの。決して押しつけがましいものではなく、料理の選択にしても丁寧でわかりやすい説明。シャンパンのラインナップが素晴らしく、ハレの日にはポメリーのグランキュヴェであるルイ-ズをいただきたいところだ。眼下の夜景とシャンパンの泡立ちが狂おしいほどマッチングする。ワインもグラスで数多くそろえており、一皿一皿に合わせてグラスで用意してくれる。値段もリーズナブルだ。
料理の選択が終わればあとはソムリエの伊藤氏に予算や好みを伝えてお任せしてもいい。どんな我侭も噛み砕いて気持ちよく叶えてくれるに違いない。1本のワインをじっくり味わうか、グラスでいろいろなバリエーションを楽しむか選択の幅は楽しく、そして広い。いずれにせよ、料理とワインのマリアージュを十分楽しませてくれるのはその都度いろいろな発見があってとても楽しい。
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願わくば、食後酒のあとはそのままホテルで過ごしたいところだ。
ネットで予約を受け付けており、こちらの値段も非常にリーズナブル。シンプルでセンスの良い部屋でいただく飲み直しのシャンパンもまた格別に違いない。
■ドゥ・ミル
営業時間
・ランチ 11:30 - 14:30 ラストオーダー 14:00 3,500円~
・ディナー 17:00 - 22:00 ラストオーダー 21:00 6,500円~
アラカルトあり
電 話 03‐5805‐2288 無休