最上級の肉質とクセのない味で勝負する蝦夷鹿のノワゼット。
ナイフを入れてみると、あまり力を入れなくてもきれいにひと口が離れます。もうその時点でやわらかさは保障されたようなものですが、口に入れるとそれは想像以上。今まで食べた鹿肉の中でも、最上級の肉質です。
見た目の赤さに比べ、味わいに全くクセがないので、平らげるのは必至。胡椒に引き立てられた鹿肉は、噛めば噛むほど、エレガントな味わいで口の中を魅了します。
リエット風に仕上げたもうひとつの蝦夷鹿の愉しみ。
これは、蝦夷鹿の肩肉とちりめんキャベツを煮込み、リエットのように仕上げたもの。ねっとり感は同じでも、豚肉で作られたものより、さっぱりしている気がします。
かたわらに置かれているのは、赤ワインでコンポートした洋梨の巾着。まるで、赤い栗きんとんのようです。シナモンや八角で香りづけされているので、味わいは深くアンダー。でもその分、食感がゼリーに近くライトなので、とてもいいバランスです。喉越しも軽快。
さらにその横には、根セロリとトピナンプールを使った「根野菜のコンソメ」もありました。
【INDEX】
2ページ目:アミューズ
3ページ目:前菜「野菜のコンポジション」
4ページ目:メイン・ジビエ「蝦夷鹿」
5ページ目:デザート「柚子とフランボワーズ」