チキンゲームでは人間性がモロバレだ
優れたゲームはみんなそうだが、ルールは簡単でも勝つのは難しい
『ハイ!シリーズ06 一瞬の強い夢 ギャンブル』
(ニック・コンスタンブル著 小林政子訳 太田出版)
(ニック・コンスタンブル著 小林政子訳 太田出版)
このゲームのユニークさは、形を変えたチキンゲームというところにあります。
ダイヤは発見されるたびに、坑道内に残っているプレイヤーで山分けするというのがミソです。アクシデントにビビって、途中で帰るプレイヤーを尻目に、坑道に踏みとどまっていればいるほど、大量のダイヤを入手する可能性があるからです。しかし、無謀すぎれば、せっかくの手に入れたダイヤを放り捨て、命かながら逃げる破目に陥ります。
ある程度のダイヤを手に入れたら、適当なタイミングを見計らって生還する。この見極めが非常に重要なのです。そして、どの時点で引き返すか(あるいは引き返せないか)でそのプレイヤーの本性がよくわかるります。
ビビリでもダメ! 蛮勇でもダメ!
典型的なのが慎重派、悪く言えばビビり屋タイプのプレイヤー。それは、ある少量のダイヤでも手に入れたら、坑道をさっさと戻るプレイヤーです。実は、双六屋はこのタイプであり「ゼロによりもましのはず」と、わずかな利益でもそれを早々に確定しまうタイプです。このタイプは、大負けもしない代わりに、まず勝つことはできません。だからといって、勇敢な(そしてしばしこのゲームではそれは蛮勇と同意語とみなされる)の猪突猛進タイプのプレイヤーも勝つことは難しいでしょう。
このゲームの醍醐味は、自分以外のプレイヤーがすでに姿を消しており、1歩進めば進むほど、大量に転がり込んでくるの宝石を独占するというダイヤモンドラッシュのシチュエーションです。高笑いは止まらず、快感以外のなにものでもありません。
そして猪突猛進タイプは愉悦を断ち切って、引き返すことができません。ついあと1歩、あと1歩と洞窟を進み、アクシデントでバースト! 結局なにも手に入れられず戻ってきます。
じゃあどんなヤツが勝つんだよ!?
もちろんイミテーションダイヤモンドだが、集まるとやはりうれしい! |
探検の仕方にメリハリがあるというか、濃淡があるというか、状況が醸し出す匂いを敏感に感じ取り、慎重なプレイのときもあれば勇敢なときもあり、どちらか一本槍ということがありません。だからといってマネできるものでもないのですが・・・
シンプルなゲームといえども、明らかに上手と下手の差がでてきます。たかがゲーム、されどゲーム。一事が万事という言葉があります。ましてやこれが、もっと複雑な要因がいろいろと絡む実世界だとしたら・・・
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