洋ゲーをローカライズし続けて12年のスパイク
その膨大なテキスト量でローカライズは不可能とも言われた海外RPGオブリビオンもスパイクが日本市場へ持ち込みました。発売決定が報じられた当時はコアな洋ゲーファンからスパイクに賞賛の声も。 |
バイオショックやThe Elder Scrolls IV: オブリビオン、セイクリッド2など、数々の洋ゲーをローカライズして日本の洋ゲーファンに届けてきたメーカーです。2010年5月13日にも、ロシア小説を原作にした異色のXbox 360用ファーストパーソンシューティング(以下FPS)、Metro2033(以下メトロ)を発売したばかりです。
一昔前に比べると、海外のゲームはとてもたくさん発売されているように感じます。一方、日本では洋ゲーは売れない、という声も、いまだに聞こえてきます。さて、実際のところ洋ゲー市場の現状はどうなっているのでしょうか?
というわけで今回は、洋ゲーをローカライズし続けてなんと12年になる、スパイクに伺って、発売されたばかりのメトロや、最新の洋ゲービジネスの現場について聞いてみることにしました。
ロシア小説が原作のFPS Metro2033
薄暗い地下鉄を進んでいくメトロ。弾丸が貨幣にもちいられていたりと、小説が原作だけにちょっと凝った設定がいくつもあります。 |
2013年に核戦争が起こり汚染された世界、ゲームはその20年後の2033年の物語を綴ります。ロシアの地下鉄というのは、現実に核シェルターとして使えるように非常に深く、頑丈に設計されているそうですが、それが実際に使われ、機能した舞台というわけです。汚染から20年経っているので、地下鉄で生まれ、地下鉄で育った人間、メトロネイティブとでも言える人物が主人公ということになります。
地上は汚染のためガスマスクがなければ歩くこともできない上、人間を襲うミュータントに溢れています。主人公はメトロ最大の駅POLISを目指して地下鉄をたどり、駅をめぐり、そこに住む人々を助け、ミュータントと戦い、あるいは逃げ隠れ、そして世界の真相を知ることになります。
FPSではありますが、シューティングが主体というより、シューティングをツールとしてその物語、世界を味わうといった印象のこのゲーム。物語に没入しやすいように、インターフェースにはほとんど何のゲージもアイコンもないという凝りようです。対戦や協力プレイもいいけど、作りこまれた物語や世界をじっくり楽しみたいというゲーマーには、オススメな一本でしょう。
メトロは4A Gamesの処女作であり、さほど有名でもありませんし、FPSとしても今主流のものとはちょっと違った異色のタイトルです。それだけに、良くこれをローカライズしてくれたというコアな洋ゲーファンの声も聞こえてきます。スパイクが現状の洋ゲー市場をどう分析し、このメトロのようなゲームを発売しているのか、伺っていきたいと思います。