トルネがPS3をリビングに連れて行く買われたハードがどこに置かれるかということは、誰が使うかという話と直結します。例えば、いくらみんなで遊べるゲームPS3が用意したとしても、みんなで遊べる場所に置かれていなければ中々そういう使い方をイメージして貰えません。もうひとつ、トルネができることに、リビングへと連れて行くという役割があります。PS3は多くの場合ゲームがやりたい人だけが触るものかもしれませんが、テレビはみんなが観るものです。お家にトルネがあるなら、ゲームをする人だけでなく、家族みんなが使いたいですよね。PS3を購入する時の理由に、やりたいゲームがあるだけでなく、地デジも録画したいとなればリビングにおかれる可能性はどんどん高くなります。PS3は非常に高価でゲーマー向けのハードという印象がありましたが、トルネが普及していくことによって、家族の共有スペースに置かれて、みんなで使うものになっていく場面が増えていく可能性があります。これがトルネの役割の2つ目です。PS3をアクティブな状態に私的な例で大変恐縮ですが、ガイドの家では、今までPS3に一切触ったことのなかった奥さんが、頻繁にコントローラーを持つようになりました。最初の話に戻りますと、PS3関連の商品をいくら頑張ってCMしたとしても、それが思い通りの結果が得られない場合に、PS3とユーザーの関係性の問題があります。例えば家にPS3があったとしても、自分とは関係の無い何か難しそうなものだと思われていれば、興味をもたれません。また、欲しいゲームがあって買ったユーザーも、起動する機会が少なくなれば自然と興味は薄れていくかもしれません。トルネが普及するということは、こういう状況に変化をもたらす可能性があります。押し入れにしまわれたり、故障したまま放置されたりすることもなく、毎日のように起動され、しかも、ゲーマーだけではなく家族の多くが利用する。そうなるとPS3とユーザーの関係は非常に濃いものになっていきます。PS3が家庭の中でより多くの人により頻繁に使われて密度の高い関係性を作り、ハードがアクティブな状況を確保しておく。ゲームを売る前段階としてこれほど望ましい状態はありません。これがPS3におけるトルネの役割というわけです。しかし、トルネはあくまで前座。さあ、最後はやっぱりゲームで勝負しなければいけません。前のページへ123次のページへ