みんなで楽しめるゲーム大乱闘スマッシュブラザーズXは対戦型のアクションゲーム。これもゲームらしいゲームと言えるでしょう。Wiiで売れているゲームの共通点を挙げると、端的にいって任天堂のソフトが良く売れています。最も売れているWiiスポーツから以下トップ10まで全て任天堂のゲームです。ただ、他にもう1つ特徴があります。それは、みんなでできるゲームです。トップ10を上からご紹介すると、Wii スポーツ、Wii Fit、NewマリオWiiに、はじめてのWii、マリオカートWiiそして大乱闘スマッシュブラザーズXときて、Wii スポーツリゾート、Wii Fit Plus、マリオパーティ8、最後は街へいこうよ どうぶつの森(以下どうぶつの森)です。Wii FitとWii Fit Plusが1人プレイ専用、どうぶつの森がオンラインのみのマルチプレイ対応ですが、後は基本的にみんなで遊ぶことができるゲームばかりです。みんなでできるゲーム、という言葉をもっと正確に、みんなで体験を共有できるゲーム、と言い換えると特徴はより鮮やかに浮かび上がります。Wii Fitやどうぶつの森も、同時には1人でしか遊べませんが、家族みんなでプレイしてその結果を共有し、コミュニケーションが起こるように設計されています。同時にプレイはしませんが、一緒に遊ぶ人がいると楽しいゲームなのです。Wiiに期待されている役割みんなで一緒に楽しむ為にWiiが買われているケースが多いのであれば、1人で没頭するゲームよりは、みんなで楽しめるゲームが売れるのは自然な流れかもしれません。このことは、Wiiという商品がどんな役割をもってユーザー受け入れられているかを示しています。売れているソフトは、すなわち、ハードの使い方を意味しているからです。ゲームらしいゲームが売れない、とするなら、Wiiはゲーム以外の目的に使われているということになりますが、実際は、いわゆるゲームらしいゲームも売れていて、ただしゲーム体験がみんなで共有できるものが、よりたくさん売れているという傾向があります。つまり、Wiiというハードは、ゲームをみんなで楽しむ為に買われている、と考えられます。据え置きハードにとって、このみんなで遊べるという役割は、絶好のポジショニングだと言えます。携帯ゲーム機が発達して、特に日本の市場では存在感が大きくなっていく一方で、テレビを独占しなくては遊べない据え置きゲーム機はその有り方が難しくなってきているように感じます。そんな中で、みんなで楽しめる、ゲーム体験を共有できる、ゲームを通してコミュニケーションができるという役割は、据え置きハードが家庭の中でうまく受け入れられていく数少ない方法の1つかもしれません。【関連記事】テレビの前に座ってもらうことの難しさ(AllAboutゲーム業界ニュース)ゲームらしいゲームが売れないハードだとするか、みんなでゲームを楽しむために買われているハードだとするかで、Wiiに対する考え方は大きく違ってきます。前のページへ123次のページへ